2021年2月7日日曜日

肺年齢とは?

肺年齢は、スパイロメータという呼吸機能検査で得られる、一秒量と年齢・性別から計算されます。パイプをくわえて、息を一気に吐く、あの検査です。

結果が、いろいろな数字で表示されますが、一般の方にとっては、肺活量ぐらいしか理解できないのではないでしょうか? しかし、呼吸器の機能で重要な数値は、肺活量よりも一秒でどれだけ吹き出せるかという、息を吐く力です。ロウソクを吹き消す力というとわかりやすいと思います。

一秒率という検査値ですが、このことが感覚的に分かりにくいため、「肺年齢」は呼吸機能検査の中の一秒率を実感として意識してもらうために工夫された表記方法です。この数値は簡単でインパクトがありますので、生活習慣の是正の必要があるのか? あるいは、以前と比べて良くなっているのか、悪くなっているのかを、直感的につたえることができます。

以下、一般社団法人日本呼吸器学会肺年齢普及齢推進事務局ホームページ記載内容より、構成しました。

肺年齢とは一秒間に吐ける息の量(一秒量)から、標準の方に比べて自分の呼吸機能がど の程度であるかを確認して頂くための目安です。 一秒量の標準値は、性、年齢、身長によ って異なり、20歳代をピークに加齢とともに減少します。 

肺年齢とは、実年齢との乖離から呼吸機能の異常を早い段階で認識してもらう概念です。

同性・同世代と比較して自分の呼吸機能がどの程度であるかを確認できます。 呼吸機能(一秒量)は、20歳前後をピークに加齢とともに低下します。肺年齢を知ることで肺の健康意識を高め、健康維持や禁煙指導、呼吸器疾患の早期発見・早期治療に活用いただけます。 

呼吸器疾患に対する意識を「年齢」という身近な指標を用いて高め、多くの方に肺の健康への理解と呼吸器疾患に対する予防と治療の重要性を認識していただくことが「肺年齢」普及の目的です。

肺年齢に応じて肺の状態を5つのグループに分類し、それぞれのグループに対する評価コメントを行うことにより、肺の健康状態に対する自覚を促し、呼吸器疾患(主にCOPD)の予防や早期治療に役立てるという考え方です。 決して肺「年齢」だけが一人歩きすることなく、評価コメントと一緒に理解することが大切です。

呼吸機能検査による「一秒量」と「一秒率」の測定値と「身長」を、一般社団法人日本呼吸器学会(JRS)肺生理専門委員会(2001)の「一秒量の標準回帰式(18~95歳)」に代入し、条件に応じて算出した「年齢」です。

上記の回帰式が18~95歳までを対象とした式であるため、この範囲を超える算出結果については「18歳未満」または「95歳以上」としています。

算出した肺年齢と共に、一秒量と一秒率から分類したグループに応じて定義した「評価コメント」と「詳細コメント」を表示し、肺年齢に対する理解と疾患リスクに関して注意を促します。

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