2021年7月11日日曜日

悪魔が来たりて笛を吹く

横溝正史は系図を描かないと理解出来ません。この話は特にそうです。
道徳と倫理観とが社会のベースに存在することがこの犯罪の前提条件です。その背景をどうやって描くかが、この話の映像化のカギでしょう。貴族と小作人との絶対的格差が映像の背景で表現されていると実感が出たと思います。孤立した村や島の話ではなく、貴族の屋敷での話なので、映像が貧相ではお話になりません。階級の違いのディテールをそれぞれの日常生活の映像の中で圧倒的リアリティで表現してもらえたらよかったと思います。

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