2024年10月23日水曜日

肺がん検診ガイドライン2022 の推奨の要点のおぼえ

 1.「非高危険群に対する胸部X線検査、及び高危険群に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法を用い た肺がん検診」は、死亡率減少効果を示す証拠があるので、行うよう勧められる。ただし、二重読影、 比較読影などを含む標準的な方法が行われている場合に限定される(グレードA)。 
2.「重喫煙者に対する低線量胸部CTを用いた肺がん検診」は、死亡率減少効果を示す証拠があるの で、行うよう勧められる。ただし、十分な精度管理の体制下で実施されている場合に限定され、精検受 診率が低い場合や、要精密検査者の追跡が十分できないなどの不十分な精度管理体制下では、行うよう 勧められない。また、過剰診断例を減らすために判定や治療適応に関する基準を策定し全国で遵守させ る必要があるとともに、偽陽性率(要精検率)を日本CT検診学会・日本肺癌学会の基準にとどめること が望ましい。(グレードA) 
「非/軽喫煙者に対する低線量胸部CTを用いた肺がん検診」は、死亡率減少効果を示す証拠が十分で はないので、対策型検診としては行うよう勧められない。任意型検診として実施する場合には、日本CT 検診学会・日本肺癌学会などが提示する方法で、「死亡率減少効果が確定していないことと不利益に関 する十分なインフォームドコンセント」を得た上で行われる必要がある。さらに、喫煙者よりも肺癌の 有病率が低いため偽陽性例が増加しやすく、また過剰診断となる例も増えることが想定されるため、学 会の定める判定基準や治療適応を守ることが重要である。判定や治療の対象を恣意的に拡大すること は、偽陽性や過剰診断の増大に直結し患者に不利益をもたらすことを理解する必要がある。(グレード I) 
なお、非低線量CTによる検診は、放射線被ばくの面から、行うべきではない。

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