2023年7月31日月曜日

「大河への道」と「空白」

横浜での学会参加の夜は、この春から定宿となった感のあるアパホテル&リゾートでした。8時近くまで会が続いていましたので、チェックインを済ませてから、ホテル4階のコンビニで食料とビールを買い込んで部屋にこもりました。このホテルのコンビニフロアは広々としていて、ホテル客が大勢買い物をしています。
実は、最近のアパホテルは映画が無料で観れますので、予定のない夜のお愉しみになっています。(コロナ禍でホテル室内での飲食に対応していたのかもしれません。)
映画は「大河への道」と「空白」の2本を見ました。大画面液晶で快適です。
「大河への道」は、まあまあ面白かった。昔風の安心して見れるコメディ映画です。天地明察みたいな感じでした。 
「空白」は、強烈だった。世の中の不寛容が極めて露骨に描かれています。そもそも真実というものが不安定であり、誰の視点の評価かによって白黒すら変わってしまう。そんな中でエスカレートしていく無責任な不寛容の不気味さ。実体のないものに押しつぶされていく人たちと、その中の光明。面白い映画でした。

2023年7月30日日曜日

東北胸部放射線研究会 リアル開催 久々の

今年は久々に秋田開催でした 。
リアル開催は会場の空気感を体感できることが非常に有益と改めて感じます。
特別講演の負門先生にはいつもながら最新の話題をご提供いただき大変ありがたく思います。


2023年7月29日土曜日

猫の寝相

猫の寝相は飼い主に似るのか、うちの猫は腹臥位(うつぶせ寝)か側臥位(横向き)です。仰臥位で寝ていることはないですね。うつ伏せで片腕だけ前に伸ばしたり、自分によく似ていると感じますが、そもそも猫ってこうやって寝る動物なのでしょうか? 

2023年7月25日火曜日

2023年7月22日土曜日

最後まで行く

1時間50分 2015年 韓国映画。横領刑事が交通事故を隠蔽しようと、死体を持ち帰り、泥沼にハマっていくという、ヒッチコック「見知らぬ乗客」風のサスペンス。韓国の葬儀の風習など面白かったです。

2023年7月21日金曜日

秋田・永楽に入りたくて新幹線こまちに乗る

昔、入ったことのある永楽を酒場放浪記で放送していました。今年も入ってみたいと思っていました。
7月22日の研究会の終了後、新幹線こまちの待ち時間に1時間ほど入りました。新政の飲み比べを頼んで、後はカウンターに並んだ一品料理から選びました。
ちょうど7月初めに1ブロック離れた場所に移転したばかりだったとのことです。小ぎれいな食堂になっていました。
4時半の営業開始にカウンター席に入り5時半まで。次々に客が入って来ては、注文前にまず写真を撮るという流れでした。

2023年7月20日木曜日

天外者

『天外者』(てんがらもん)、2020年12月11日公開。監督 田中光敏。五代友厚を主人公にした幕末映画。

2023年7月18日火曜日

Deep Convolutional Neural Network-based Software Improves Radiologist Detection of Malignant Lung Nodules on Chest Radiographs

Radiology2020 Jan;294(1):199-209.doi: 10.1148/radiol.2019182465. Epub 2019 Nov 12.
Deep Convolutional Neural Network-based Software Improves Radiologist Detection of Malignant Lung Nodules on Chest Radiographs
Yongsik Sim 1Myung Jin Chung 1Elmar Kotter 1Sehyo Yune 1Myeongchan Kim 1Synho Do 1Kyunghwa Han 1Hanmyoung Kim 1Seungwook Yang 1Dong-Jae Lee 1Byoung Wook Choi 1
Abstract
Background Multicenter studies are required to validate the added benefit of using deep convolutional neural network (DCNN) software for detecting malignant pulmonary nodules on chest radiographs. Purpose To compare the performance of radiologists in detecting malignant pulmonary nodules on chest radiographs when assisted by deep learning-based DCNN software with that of radiologists or DCNN software alone in a multicenter setting. Materials and Methods Investigators at four medical centers retrospectively identified 600 lung cancer-containing chest radiographs and 200 normal chest radiographs. Each radiograph with a lung cancer had at least one malignant nodule confirmed by CT and pathologic examination. Twelve radiologists from the four centers independently analyzed the chest radiographs and marked regions of interest. Commercially available deep learning-based computer-aided detection software separately trained, tested, and validated with 19 330 radiographs was used to find suspicious nodules. The radiologists then reviewed the images with the assistance of DCNN software. The sensitivity and number of false-positive findings per image of DCNN software, radiologists alone, and radiologists with the use of DCNN software were analyzed by using logistic regression and Poisson regression. Results The average sensitivity of radiologists improved (from 65.1% [1375 of 2112; 95% confidence interval {CI}: 62.0%, 68.1%] to 70.3% [1484 of 2112; 95% CI: 67.2%, 73.1%], P < .001) and the number of false-positive findings per radiograph declined (from 0.2 [488 of 2400; 95% CI: 0.18, 0.22] to 0.18 [422 of 2400; 95% CI: 0.16, 0.2], P < .001) when the radiologists re-reviewed radiographs with the DCNN software. For the 12 radiologists in this study, 104 of 2400 radiographs were positively changed (from false-negative to true-positive or from false-positive to true-negative) using the DCNN, while 56 of 2400 radiographs were changed negatively. Conclusion Radiologists had better performance with deep convolutional network software for the detection of malignant pulmonary nodules on chest radiographs than without. © RSNA, 2019 Online supplemental material is available for this article. See also the editorial by Jacobson in this issue.
概要

背景 胸部 X 線写真で悪性肺結節を検出するために深層畳み込みニューラル ネットワーク (DCNN) ソフトウェアを使用することの利点を検証するには、多施設研究が必要です。 目的 深層学習ベースの DCNN ソフトウェアによって支援された場合の胸部 X 線写真上の悪性肺結節の検出における放射線科医のパフォーマンスを、多施設環境での放射線科医または DCNN ソフトウェア単独のパフォーマンスと比較する。 材料と方法 4 つの医療センターの研究者は、レトロスペクティブに 600 の肺癌を含む胸部 X 線写真と 200 の正常な胸部 X 線写真を特定しました。 肺がんの各 X 線写真には、CT および病理学的検査によって確認された少なくとも 1 つの悪性結節がありました。 4 つのセンターの 12 人の放射線科医が胸部 X 線写真を個別に分析し、関心のある領域をマークしました。 疑わしい結節を検出するために、19 330 の X 線写真で個別にトレーニング、テスト、および検証された、市販の深層学習ベースのコンピューター支援検出ソフトウェアが使用されました。 その後、放射線科医は DCNN ソフトウェアを使用して画像を確認しました。 DCNN ソフトウェア、放射線科医のみ、および DCNN ソフトウェアを使用する放射線科医の画像あたりの感度と偽陽性所見の数を、ロジスティック回帰とポアソン回帰を使用して分析しました。 結果 放射線科医の平均感度が向上しました (65.1% [1375 of 2112; 95%信頼区間 {CI}: 62.0%, 68.1%] から 70.3% [1484 of 2112; 95% CI: 67.2%, 73.1%], P < .001)、X 線写真あたりの偽陽性所見の数は減少しました (0.2 [2400 の 488; 95% CI: 0.18, 0.22] から 0.18 [2400 の 422; 95% CI: 0.16, 0.2], P < . 001) 放射線科医が DCNN ソフトウェアで X 線写真を再検討したとき。 この研究の 12 人の放射線科医の場合、DCNN を使用して 2400 枚の X 線写真のうち 104 枚が肯定的に変更され (偽陰性から真陽性へ、または偽陽性から真陰性へ)、2400 枚の X 線写真のうち 56 枚が否定的に変更されました。 結論 放射線科医は、胸部 X 線写真上の悪性肺結節を検出するためにディープ畳み込みネットワーク ソフトウェアを使用した方が、そうでない場合よりも優れたパフォーマンスを発揮しました。 © RSNA, 2019 この記事のオンライン補足資料を利用できます。 この号のジェイコブソンの論説も参照してください。

2023年7月16日日曜日

「飼育」

大江健三郎さんが亡くなりました。映像化作品を探してみると非常に少ないんですね。 
われらの時代 (1959) 監督:蔵原惟繕
偽大学生 (1960) 監督:増村保造 
飼育 (1961) 監督:大島渚
静かな生活 (1995) 監督:伊丹十三  音楽:大江光
「飼育」がアマゾンプライムに入っていたので見てみました。大島渚が松竹退社後に独立プロで初めて監督した作品です。演出や表現が挑発的です。原作を読んでいないので大島の意図がどの程度入っているのかわかりませんが、映画会社とのしがらみなく作った問題作と言えるでしょう。村という閉鎖空間に黒人兵が入り込むという構図は、戦場のメリークリスマスや御法度のプロットに通じています。また黒人兵を理解できない村人たちの混乱は絞死刑のブラック喜劇に繋がっています。唐突に「天皇陛下バンザイ」と言って手打ちにしてしまう滑稽さ、共同体の支配者のエゴや責任回避。大戦末期に閉鎖的な村に捕虜として囚われた黒人兵の姿を通して、日本という国の縮図が浮き上がってきます。
監督: 大島渚 原作: 大江健三郎 脚本: 田村孟 撮影: 舎川芳次 音楽: 真鍋理一郎 出演: 三國連太郎/沢村貞子/中村雅子/大島瑛子/浜村純/相川史朗/山茶花究/加藤嘉/石堂淑朗/小山明子/戸浦六宏/小松方正/ヒュー・バードブラック&ホワイト, レターボックス化, ドルビー 1 時間 45 分

23年度のNPO理事会・総会の開催

NPO福島画像診断支援センター
23年度のNPO理事会・総会を以下の通り開催いたしました。
ーーー記ーーー
開催日時  令和5年5月19日(金) 18時から
開催場所  福島テルサ会議室:もちずり + WEB

2023年7月15日土曜日

八戸・八食センターへ行きたくてはやぶさに乗る

JR東日本の大人の休日俱楽部のサービス期間にふらりと八戸に行ってみました。
福島発が9時台 仙台ではやぶさに乗り換えて 11時に八戸着。はやぶさには年輩の旅行者がたくさん乗っていました。自分もそのひとりです。八戸で降車する人も多くほっとしました。
JR八戸駅周辺には観光センターがあり、ちょっとした暇つぶしになります。
到着して、まず八食センターへ行きました。大きな海産市場のある八食センターへはバスで15分ほど 100円で行けます。駅前にバスが停車しており、15分ほど前から乗車できます。客は何人でも乗せますので、最終的にはぎゅうぎゅう詰めになって発車します 。早めにバス停に行って座って待つのがいいですね。
八食センターは村上や寺泊の道の駅が巨大化したような印象でした。地元のショッピングセンターでもあるとのことですので、観光値段ではないようです。男山など日本酒も豊富に置いてありました。福島県も含め、東北地方の酒がたくさんありました。八戸の生酒 八仙 どぶろっく 青森の豊盃 生を買ってきました。男山は駅の土産物店では「TV 居酒屋新幹線で紹介」と解説付きで販売していました。実は自分もこのTVを見て八食センターの存在を知ったくちです。にもかかわらず、買うのをためらいました。
ショッピングセンターでは、平ガニの雌、店先であげている天ぷら(イカ どんこ たまねぎ)などを買いましたが、買いなれていないので、なんでも量が多く、レジ袋を受け取ってから 、その量に驚きました。そして、なぜか瓶ドンを売っていたので買いました。八戸は久慈や三陸から近いのですね、
帰りの新幹線まで時間があったので、八戸駅近隣を散策し、はやぶさでは青森りんごのクラフトチューハイなるものを飲みながらかえってまいりました。KIOSKでは大人の休日割引にしてくれました(?)。盛岡でこまちとドッキング、こまちが若干遅れたため、仙台ではホームの反対側に一便前の新幹線が停車しており、飛び乗ってセーフでした。

2023年7月14日金曜日

デジタルファシズム

電子カルテのアクセスには高いレベルのセキュリティがハードソフトともに構築されています
数年前、キビタンネットというネットワークがあり、そのルールでは国家資格を有する職種にアクセスを限定していました
当時も違和感がありました 現在も違和感を感じています 現在の違和感は病院の電子カルテから政府のマイナカードまで繋がっています
違和感の根っこは、セキュリティチェックを強いるシステムを作っている企業が、実はただの一般企業であるという点です そのIDカードを持ってさえいれば、すべての情報にアクセスできるのです
正面玄関は厳しい警護を行わせていながら、通用口はダダ漏れなのです
彼ら自身の倫理規定や国家資格などはどうなっているのか、明らかにしないばかりか、一体誰がアクセスできるのかも明示しません。スーパーバイザーなる言葉だけです
堤さんの新書の序章を読んでいて、「あるある」の連続でした

2023年7月13日木曜日

「特定臨床研究」監査受審

当科で行っている4次元動態CTについての「特定臨床研究」 が終盤を迎えています。7月はじめに琉球大学から担当の先生方が監査に来られました。

2023年7月12日水曜日

第31回 画像診断セミナーのご案内

第31回 画像診断セミナーのご案内
謹啓 時下、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、この度、「第31回画像診断セミナー」を開催する運びとなりました。ご多忙の中とは
存じますが、当会の趣旨にご賛同いただき、ご参加いただければ幸いでございます。
謹白
日時:2023年7月19日(水)18:00~19:00
会場:Microsoft Teamsを用いたWeb開催
情報提供: 造影剤オムニパーク 『30周年』 動画紹介 (3分)
オープニングおよび進行 大原綜合病院 画像診断センター長 森谷 浩史 先生
《ワークショップ》 18:05~18:40 (各10分:質疑含)
ー消化器領域について学ぼう(その3)ー
➢「画像診断外来における腹部MRI」大原綜合病院 画像診断センター長 森谷 浩史 先生
➢「腹部超音波検査」大原綜合病院 画像診断センター 蛭田 まほり 先生
➢「低管電圧撮影の使用経験」公立藤田総合病院 放射線室 中島 真理子 先生
《特別講演》 18:40~19:00(20分)
『消化器シリーズ その3 肝臓』大原綜合病院 健康予防科 部長 菊田 佳子 先生
主催:GEヘルスケアファーマ株式会社 後援:NPO法人福島画像診断支援センター

2023年7月11日火曜日

呼吸器内視鏡学会 教育講演

 放射線学会以外のオンデマンド配信のレクチャーは新鮮で面白いです。

気管支鏡セミナー2023

2023年6月28日 パシフィコ横浜で開催された気管支鏡セミナーをオンデマンド視聴しました。 すべての講義を視聴すると自動的に受講票がダウンロードできる仕組みになっています。
純粋な気管支鏡画像の読みに関するレクチャーは清嶋先生のみでした。感染症や良性疾患も含めて、画像の読みをもっと見たいと思いました。今回の学会のオンデマンド配信がしばらく続きますので、ほかの演題を横断的に視聴してみたいと思います。

第27回東北胸部放射線研究会

第 27 回 東北胸部放射線研究会のご案内
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、第 27 回 東北胸部放射線研究会を下記の通り開催いたしたくご案内申し上げます。諸事ご多用中と存じますが、ご参加の程よろしくお願い申し上げます。
敬具
日 時 : 2023 年 7 月 22 日 (土)13:15〜15:00
会 場 : 秋田市にぎわい交流館 AU(あう)4 階 研修室 2
会 場 : 秋田市中通一丁目4番1号 TEL 018-853-1133
および LIVE 配信(ZOOM ミーティング)
参 加 費 : 無料
【一般演題】(各 15 分) 13:15〜14:00
13:15〜 「空洞性肺結節と骨盤部軟部病変を同時に認める症例の鑑別」 秋田大学 村田 敏樹 先生
13:30〜 「子宮がんの孤立肺転移」 大原綜合病院 森谷 浩史 先生
13:45〜 「右肺底部腫瘤状陰影の鑑別」 弘前大学 工藤 珠星 先生
【特別講演】 14:00〜15:00
「肺がんに関連した心大血管画像診断」 がん研有明病院 画像診断部 副部⻑ 負門 克典 先生

2023年7月10日月曜日

第148回日本医学放射線学会北日本地方会 世話人会

◆第148回日本医学放射線学会北日本地方会 世話人会のご案内◆
先週金曜日に開催されました。まだ仕事が終わっていませんでしたが、手元のiPadで参加できました。最近は直前にメールで案内いただき、即座にズームで出席できますので、大変便利になりました。

2023年7月9日日曜日

怪物

映画『怪物』 2023年6月2日(金)公開。
思春期の男の子の変化を理解できなかったシングルマザーの母親の行動が周囲に波紋のように広がっていきます。子供は自分の変化を特殊なものと思い、誰にも伝えられない。複数の視点が羅生門のような構成で描かれます。 

2023年7月7日金曜日

三姉妹

三姉妹 サンシマイ 2022年6月17日(金)公開 / 上映時間:115分 / 製作:2020年(韓国)
ソウルに暮らしている三姉妹。慎ましい花屋を営む長女、マンションで暮らす聖歌隊の指揮者の次女、スランプ中の劇作家の三女。優しいがゆえに騙されやすい長女、見えっ張りな次女、奔放な三女、この3人を見ていて、自分の母方の叔母姉妹を見ているようでした。
彼女たちは父親の誕生日を祝うために、久々に顔を合わせます。そして、三様に生きることになった自分たちの幼少期の心の傷をさらけ出し・・・、そしてスマホで自撮りして笑い合います。
現代の韓国に生きる、三者三様の姉妹を描いた人間ドラマ。監督、イ・スンウォン。ムン・ソリ主演、キム・ソニョン、チャン・ユンジュら共演。
日常生活の中にごく自然にさまざまな宗教が入り込んでいることがわかります。眞露などの韓国酒が飲みたくなります。

結婚しようよ

いわゆる古き良き松竹喜劇映画のフォーマットに準じた純朴な映画でした。

2023年7月2日日曜日

果しなき欲望

果しなき欲望 The Endless Desire 配給:日活 劇場公開日:1958年11月19日
これは面白い。まるで韓国映画だ。時価六千万円のモルヒネ発掘をめぐって、欲につかれた人間の醜さ滑稽さを描くスリラー・コメディ。オール読物所載藤原審爾の原作を、鈴木敏郎・今村昌平が脚色、今村昌平が監督した。
八月十五日--ある駅のホーム。胸に星のマークをつけた五人の奇妙な人物が集った。彼等の目的は終戦の日に、軍医橋本中尉がこの町の防空壕に埋めたモルヒネを掘出すことだった。橋本中尉は十年後に従卒三人と山分すると約束していた。集った五人。すでに死亡した橋本中尉の妹と称する妖艶な女志麻。薬剤師の中田、大阪の中華料理店主大沼、ヤクザの山本、それに中学校の教師と名乗る沢井。それは約束より一人余計だった。目的の防空壕の場所には肉屋が建っていた。彼等は二十米離れた所の空屋を不動産会社の名目で借り、地下を防空壕まで掘ることにした。強欲な家主金造は長男悟を雇わせる条件で家を貸した。五人は工事費を作るため一たん帰郷した。抜けがけを狙う大沼は一足先に帰って沢井と組もうとしたので、中田や志麻との間が険悪になった。ところが帰阪した山本が強盗を犯したため、四人は急いで穴を掘り始めた。悟は肉屋の娘リュウ子と恋仲で、男達は二人の密会をみて刺戟され、志麻に挑んだ。男達をハネつけた志麻は一番穴を掘った者に自分をやるといった。男達は奮起して穴を掘り進める。祭りの夜、疲労困憊した男達が町内会にただ酒を飲みに行く。リュウ子と痴話喧嘩した悟は志麻に誘惑された。その時、突如山本が現れ、彼女に躍りかかった。山本は脱走してきたのだった。再開発のため彼等の家を含む商店街が後五日で壊わされることになった。山本も加わり穴掘り作業が進められる。立ち退き前夜、反目し合っていた山本と沢井が格闘し、沢井は山本を殺した。立ち退き当日、遂に穴掘りが肉屋の下に来た時、沢井はドラム缶を発見した。が、落ちて来たドラム缶の下敷きになって惨死した。志麻は何も知らない悟に一緒に逃げようとそそのかす。大雨となり商店街の取り壊し作業は順延される。その夜、中田は大沼に興信所からの調査書を読んで聞かす。橋本中尉は他殺の疑いが有り、中尉の内妻だった志麻とその情夫中田が逮捕されるも容疑不十分で釈放されたとあった。余計な一人は中田だった。中田はナイフで大沼を脅し、自分が多分な分け前を受ける様に約束させる。志麻は毒入りのビールを大沼に飲ませて殺した。毒に気づいた中田だが志麻に包丁で刺殺される。これをみた悟は急を町内に知らせた。豪雨の中を志麻はモルヒネを持って逃げた。が、警察に追いつめられ、工事中の橋の上から逆まく川に落ちて死んだ。翌朝、川におびただしい死魚が浮いて、その白い腹を初秋の陽射しにさらした。
ずいぶん昔に見たことがあったが、改めて見るとテンポが速くとても面白いサスペンスコメディである。いわくありげなそれぞれの人物が、戯画化され性格が書き分けられており、わかりやすい。当時のドヤ街・下町の雰囲気が興味深く、印象としてはボンジュノの殺人の追憶・母なる証明を連想した。ボンジュノの映画はこの頃の日本映画(今村昌平や黒澤明)の基本的な映画文法を忠実に受け継いでいるように感じる。
監督 今村昌平 脚色 鈴木敏郎 原作 藤原審爾 企画 大塚和 撮影 姫田真佐久 美術 中村公彦 音楽 黛敏郎 録音 沼倉範夫 照明 岩木保夫 編集 丹治睦夫
長門裕之 中原早苗 西村晃  殿山泰司 小沢昭一 加藤武 渡辺美佐子    菅井一郎    高品格 河上信夫 三崎千恵子 柳沢真一 芦田伸介 秋津礼二