2026年6月12日金曜日

第7回 Rise Up CT Conference 高精細面検出器CTによる呼吸器画像診断

第7回 Rise Up CT Conference
2026年5月30日(土)13:30-18:00
国立がん研究センター中央病院 現地開催+オンデマンド
高精細面検出器CTによる呼吸器画像診断  大原綜合病院 画像診断センター  森谷浩史

抄録
2007年に登場した320列面検出器型CT「Aquilion ONE」は,160mm範囲を0.35秒で撮影可能なADCTとして開発され,呼吸動態CTへ活用された。その後,2023年11月に,AI技術や新たなハードウェアを搭載した「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」が開発された。本装置は,ガントリや操作系を刷新し,高速撮影,高画質化,被ばく低減,ワークフロー効率化を実現した最新の4次元動態CTである。
「PIQE(Precise IQ Engine)」は,高精細CT「Aquilion Precision」で培われた技術とAIを融合した超解像画像再構成技術である。高精細CTで取得した高品質画像を教師データとして深層学習を行い,通常のADCT画像から高分解能かつ低ノイズな画像を生成する。特に胸部向けに開発された「PIQE Lung」では,0.5mmスライス厚・1024×1024マトリクスでの再構成が可能となり,肺結節や微細な肺構造を詳細に描出できる。これにより,低線量の呼吸動態撮影においても高精細な描出が可能となった。
ガントリ回転速度は最速0.24秒へと高速化され,高い時間分解能を獲得した。胸部領域では心拍による画像のブレが減少している。さらに,AIによるモーションアーチファクト低減技術「CLEAR Motion」が導入された。CLEAR Motionは,肺血管や気管支,大動脈などに生じるモーションアーチファクトを低減する技術であり,深層学習を用いて高精度な動き推定と高速再構成を実現している。胸部領域では,心臓近傍の肺野においてもブレの少ない画像が得られている。また,本技術は撮影中の咳嗽などによって生じたブレの改善にも有用である。
「3D Landmark Scan」は,ヘリカルスキャンで取得した位置決めデータを基に,AI技術を用いて骨・臓器・筋肉などの位置情報を解析し,プリセットされた撮影範囲を自動設定する技術である。さらに,この位置決めデータから軸位断画像を再構成することも可能であり,本撮影範囲外の画像確認にも活用できる。
特筆すべき点として,これらの技術は一般臨床撮影後の再構成処理において選択・追加が可能である。そのため,再撮影の減少や臨床現場におけるワークフロー改善に大きく寄与し,高い臨床的有用性を有している。
「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」は,高速撮影,高分解能,再構成AI技術,モーション補正技術を統合した高精細かつ臨床実用性に優れたADCTである。

内容
Aquilion ONE / INSIGHT Editionが呼吸器領域における臨床実用機としていかに有用か 
320列面検出器CT Diagnosis of chest wall adhesion or invasion of lung cancer 
高精細CTの基本性能 AiCT Bronchi (inner diameter 1?2 mm) 
PhyZiodynamicsの最初の経験症例 
4Dボクセルトラッキング技術とノイズ低減効果 
320列面検出器CT(Aquilion ONE / INSIGHT Edition)0.5mmslice 高速回転(0.24秒回転/0.35秒回転 ) 超高解像度再構成(PIQE)、モーションアーチファクト低減技術(CLEAR Motion:CM)の有無 
肺野描出能と気管支描出能について評価した。 対象:胸部の精密検査のため放射線科を受診し、胸部CT撮影を行った患者。CT装置導入稼働後2024年12月の10日間の連続した58例( 0.35秒回転)。2025年4月の連続した52例( 0.24秒回転)。 方法:2つの再構成画像(AIDR 3D、PIQE+CM)を作成した。 評価方法:①大動脈弓部レベルのブレ、②心臓左縁のブレ、③左肺下葉(心背側部)の肺野・気管支描出 まとめ:超解像画像再構成(PIQE)とモーションアーチファクト低減技術(CM)は肺CTにおける気管支描出能を向上させる。 
ブレ改善効果 AIDR 3D AiCE(DLR) PIQE:1024 PIQE:1024+CM 20mmMIP 
Pulmonary nodule detection capability of ultra-low-dose CT equipped with Silver Beam Filter Using Silver Beam Filter, ultra-low dose helical scan (3D land mark scan:120kV(Ag), 40mA, CTDI 0.2) data was reconstructed with PIQE image reconstruction. The nodule detection capabilities of conventional CT and ultra-low-dose CT were compared in 200 consecutive cases. Subjects: 82 nodules/200 consecutive cases (2025/7/23-9/2). GGO: 12, part-solid: 7, solid: 53, calcification: 5, clustered granular opacities: 5. In cases with multiple nodules, one nodule with a diameter of 5-10mm was selected for evaluation. Equipment: 320-row area detector CT (Aquilion ONE / INSIGHT Edition). Scanning conditions: Clinical CT: 120kV, 200-350mA, 0.24sec.rot., PIQE+CM, 1024 matrix, 0.5mm slice, Ultra-low-dose CT (3D land mark scan): Silver Beam Filter, 120kV(Ag), 40mA, 0.5sec.rot., PIQE, 1024 matrix, 0.5mm slice. Nodule detectability, nodule characteristics (GGO, part-solid, solid, calcification, clustered opacities), and nodule size (long diameter, orthogonal diameter) were evaluated. Two radiologists independently performed the evaluation. Pulmonary nodule detection capability of ultra-low-dose CT Undetectable: 0 Difficult to detect: 7 (reader1:3 nodules, reader2:5 nodules) Detectable: 75 All of the 82 nodules were detectable. 7 nodules (9%) were determined to be difficult to detect. There were no nodules that could not be detected. Nodule characterization of ultra-low-dose CT Discrepancy in characteristic determination 
肺腺癌の多発肺転移 
3DLMSデータから撮影範囲外を再構成できる 
右腎細胞癌 胸部CTの最下スライスで右腎の形状不整あり 
Aquilion ONE / INSIGHT Edition:臨床実用機としての有用性 
PIQE/CLEAR Motion:高速処理により通常臨床運用できる 撮影後のデータに対して処理できるため、再撮影の減少・誤判断の減少に直結する 
PIQE Lung:肺構造に特化した高精細化再構成処理 低線量呼吸動態CTにおける驚異的描出力:高精細4次元動態CT 
腹部CTの肺野画像を精細に表示できる 
3DLMS:本撮影範囲外領域を位置決めデータから画像化できる 
CLEAR Motion:肺野画像・造影検査に極めて有用
まとめ 
4次元動態CTと高精細CT技術を統合した高精細面検出器CTについて呼吸器画像診断の観点から述べた。 技術的進化に伴って高精細化・高速化と低線量化が実現している。 特筆すべきは、これらの先端的再構成が撮影後のデータに対しても行える点である。 極めて使い勝手の良い臨床実用CTであることから、さまざまな臨床症例に遭遇する機会が増えると思う。

福島市肺がん個別検診読影会はじまりました

今年度の肺がん検診読影会が始まりました。本日、自分の当番日で行ってきました。
今年度もよろしくお願いいたします。

2026年6月10日水曜日

サントリー美術館 河鍋暁斎展

2026年5月31日。11時から六本木のサントリー美術館で開催中の 河鍋暁斎展を見てきました。 江戸末期から明治期に活躍した日本画家です。 日本画 カラス 枯れ木 達磨 閻魔 地獄太夫 蛙や小動物を登場させた戯画 風刺画。 風刺画や版画ははポップアートです。自らを酒好きの鬼として描いたユーモラスが絵など楽しい展覧会でした。
昨年から朝日新聞の複製画配布が行われており、今月で12回のシリーズの終了月となります。 毎月の美麗な複製画をファイルしていましたので、鑑賞の予習になりました。
ゆっくりと回って、およそ2時間でした。

2026年6月6日土曜日

令和8年度 福島市医師会・安達医師会 肺がん検診読影研修会

第62回 画像診断の会 (福島市・安達医師会 肺がん個別検診読影講習会を兼ねて) 
令和8年5月21日 木曜日 18時30分から らこぱふくしまからweb配信。
ご参加ありがとうございました。97名の先生方にご視聴いただきました。

謹啓 時下、先生におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。  
さて、この度、第62回画像診断の会を開催いたします。 本会は、画像診断に関する技術の向上を目的とし、福島市・安達医師会エリアの医療の向上・連携を図り、地域の福祉に貢献したいと考えております。今回は、Web開催を中心にて実施いたします。当会の趣旨にご賛同いただき、ご参加いただければ幸いでございます。                          謹白    
日 時:令和8年 5月21日 (木) 18:15~20:00 
場 所:ZOOMウェビナーにて配信 
*肺癌検診読影医精度管理のための研修会と認定する 
共催:大原綜合病院 画像診断センター NPO福島画像診断支援センター 福島市医師会・安達医師会 ブラッコ・ジャパン株式会社 
 司会:大原綜合病院 画像診断センター長 森谷 浩史 先生  
情報提供(18:15~18:30) ブラッコ・ジャパン株式会社 
・「福島市からの案内・説明」(18:30~18:40)福島市 保健所担当者 
・安達医師会の肺がん検診 (18:40~18:55)上遠野内科医院 院長 上遠野 健先生 
・胸部写真撮影の注意点 (18:55~19:10) 大原綜合病院 清水文彦先生 
・特別講演(19:10~19:50) 「わが国肺がん検診の動向と胸部X線写真」 大原綜合病院 森谷 浩史先生・箱崎元晴先生  
今回は以下のように12画像を事前に供覧し、判定してもらいました。判定の難易度を示しながら改めて箱崎先生といっしょに画像を分析してみました。

 令和8年5月21日の画像診断の会(肺がん検診精度管理研修会)の検討会で呈示する胸部X線写真の事前読影・演習を実施いたします。 事前に目を通しておくと研修会の理解が容易になりますので事前読影をお願いします。 
12例の画像について「胸部写真判定部位」を参照して、異常所見の部位を①から⑨の中から選んでください。 研修会では先生方の判定結果の傾向を示しながら解説を行います。 
 画像読影の際の注意点 1.医用画像は医療用画像診断モニタで観察します。明るいモニターで適宜拡大して観察してください。ノートPC、タブレット型端末、汎用ディスプレイ等では、異常所見の認識や鑑別が困難な場合があります。 2.氏名などの個人情報は匿名化していますが、肺がん検診精度管理のための研修会に限って使用が認められています。画像のコピーや撮影は法令違反となりますので、絶対に行わないでください。

2026年6月3日水曜日

moreCT!2026 9月25日金曜日開催

moreCT!2026は 9月25日金曜日開催といたしました。
今年は肺癌CT検診が対策型検診として社会実装されましたので、わが国でCT検診に関して最も長期にわたる経験をお持ちの浅間南麓こもろ医療センター 丸山雄一郎先生に特別講演をお願いしました。
どのような所見を拾わなければいけないか、そのための撮影条件はどの程度がよいのか、などを含めて話をお願いしました。
9月25日金曜日18時より
会場は福島テルサ(例年と異なりますのでご注意ください)

2026年6月1日月曜日

第7回Rise Up CT Conference

第7回Rise Up CT Conferenceプログラム に参加しました。
主催:Rise Up CT Conference共催:キヤノンメディカルシステムズ株式会社 
13:00-13:30受付・企業展示開始 
13:30-13:35開催挨拶 
13:35-14:10 CT装置情報提供 :株式会社イーメディカル東京あかつきクリニック宮下宗治
 「キヤノンCT最新情報」キヤノンメディカルシステムズ株式会社 
「AquilionRise導入と初期使用経験」 社会医療法人社団カレスサッポロカレス記念病院中村仁志先生 立位CTの臨床的な潜在価値に期待大です。特にCT検診への利用でどのような地点があるかが楽しみです 
14:10-14:40画論からのトピックス 座長:藤田医科大学辻岡勝美  国立成育医療研究センター長澤宏文 
「嚥下4D-CTAを用いたbony stroke診断」 杏林大学医学部付属病院安達卓哉先生 いろいろな工夫があると感心 やはり様々な領域に対する知識と興味が必要 
「高精細CTによる迷走神経の可視化とVNS手術支援画像」 藤田医科大学病院畔柳達也先生 高精細CTの王道的活用 こういうことを自分たちも試してみたい 
14:40-15:10アプリケーションソフトセッション 座長:藤田医科大学片岡由美  神戸大学医学部附属病院石川和希 
「頭部Dual-Energy 撮影~DE-Vol方式とサブトラクション方式の検討~」 地方独立行政法人岐阜県総合医療センター金森祐貴先生 DEはぽつりぽつりやっているが、使いこなせていない 単純撮影をなくして被爆を減らすことなどが目標とならざるをえないのか? 
「3D Landmark Scan が拓く利便性の革新 ‐下肢CTA サブトラクションへの応用-」 医療法人植月医院 井戸端伸晃先生 位置決め画像データをマスク像へ使えるという非常に利便性の高い発表 CEブーストにも使えるか 
15:10-15:30休憩企CM 
15:30-16:30装置性能に関するセッション 座長:茨城県立医療大学瓜倉厚志 社会医療法人大雄会日比野友也 
「高精細な大腸CTはこんなに診える!」公益社団法人日本海員掖済会小樽掖済会病院小林穂乃香先生 いわゆるHRCTのように部分的に絞り込んだSHR512画像を用いてCTCを行う 
「Silver filterを付加したCT撮像による線質変化と画像ノイズへの影響」 国立がん研究センター中央病院下田沙也加先生 CTDIを同一にして比較 被爆が3割ほど減る 
「腹部領域におけるPIQEの有用性」福岡大学病院三垣宏晃先生 PIQE1024 
「Aquilion ONE / INSIGHT Editionにおける心臓領域の使用経験について」大阪大学医学部附属病院川畑秀一先生  ClearMotion 
16:30-16:50休憩企業CM 
16:50-17:50 Rise Up Lecture 座長:国立成育医療研究センター石原敏裕 東海大学医学部付属八王子病院遠藤和之 
「高精細面検出器CTによる呼吸器画像診断」 一般財団法人大原記念財団大原綜合病院森谷浩史先生 
17:50-18:00閉会挨拶 
一般演題から聴講 どれも興味深い内容 キヤノンCTの技術的要素が満載の半日でした 終了後は演者や関係の先生方で中華居酒屋中国台風で10時まで飲んでいました 丸の内のメトロポリタン宿泊 ここはテンクウという美味しいレストランの朝食ビュッフェが楽しめます

2026年5月31日日曜日

赤い殺意

今村昌平の傑作ブラックコメディ。この頃の今村映画は、ポン・ジュノの作風の源流のような作品です。シリアスな場面にあえて流れる気の抜けた音楽。シリアスであればあるほど滑稽な登場人物たち。
舞台は仙台市。泉や富谷のあたりです。