『四つの目』は、NHKで1966年から72年まで放送された子供向け科学番組です。「四つの目」とは、通常の撮影による「肉眼の目」、高速度撮影・微速度撮影による「時間の目」、顕微鏡や望遠鏡などによる「拡大の目」、X線撮影による「透視の目」を意味しています。物事を「先端科学技術の目」で視覚化することで、解明できるというコンセプトは、放射線画像診断に直結する驚異的番組でした。子供心には「超能力」が科学技術の延長線上にある事が実感させられました。
『三つの目』は最近のビシネス書などで目にするマネージメントの技術です。経営者は、鳥の目、虫の目、魚の目を意識するべしとしています。「鳥の目」は「高いところから全体像を把握する」ということです。自分の立ち位置を明確にする。「虫の目」はターゲットを絞って虫のように「狭く深く」分析する。地に面した低い位置から、上からは見えなかったことを見る。「魚の目」は目には見えない川の流れを体全体で感じ取ることです。経営には、全体の把握、部分の把握、流れの把握の3つの目が必要とのことです。
近年の画像診断においては技術革新によって、今まで見えなかったものが、次々に視覚化されてきています。百聞は一見にしかずの繰り返しです。三つの目になぞらえると、肺の場合は単純写真で概観を把握し、CTで細部を分析します。加えて経過の解る比較画像で臨床的矛盾がないか確認します。さらに、320列CTでは動態を撮影できますので、「時間の目」という武器が加わっています。まさに、time masterとして、時間を任意に手繰る能力が、百聞は一見にしかずの世界を拡張・強調させてくれています。
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