2021年5月31日月曜日

対コロナ・リモート講演の良し悪し

コロナ禍で、リアルな学会研究会は実施されなくなった。その代わり、それぞれ工夫しながらさまざまなリモート開催方法を模索している。
リモート開催では、参加する側からは、いままで参加することができなかった場所・時間の会に気楽に参加できるため、あらためて、知らないことがたくさんあることに気づく。あるいは、気づくきっかけになることが、とても重要であると感じる。従来のリアル開催では足を踏み入れることがなかったような内容も冷やかしに参加することができる。このことは、いままで、経験することのできなかった「コロナによりもたらされた環境」である。
自宅から普段着のまま、まさに気楽に視聴できる。視聴時の姿勢も楽。その反面、中断することも気楽になった。
お笑いTV番組やネット映画番組などと医学系情報が選択肢として並列に並ぶのが難点。
2月の画像医学会のオンデマンド配信では40プログラムのうち半分ほど視聴した時点で、放射線学会がスタートしたため、視聴しなければならないコンテンツがどんどん溜まってきているのが、オンデマンドの難点でもあり利点でもある。
メーカ主催講演会も増えている。特に、メーカ主催講演会は人数確保が目的のためか、万人に興味を持たれる内容であることが多く、テーマが広く浅くならざるを得ない。そういう意味では新規性のある尖った内容に出くわすことが少なくなった。
これについては、自発的にリアルタイム研究会を掘り下げて、半ば強制的に視聴していることで出くわすのではないかと思う。
オンデマンドではリアル会議で同時に開催されていた内容も別の時間にそれぞれ視聴可能。
会場への行き来や宿泊の心配なし。
大型液晶に表示し、一人で視聴できるため、会場にいるより画像が鮮明によく見える。
プログラムによっては繰り返し視聴可能、巻き戻しや静止も可能。
実施する側からは、事前に準備しておけば移動不要 時間的にもフリー。
リアルタイムで発信する場合は、相手側の音声が無音となるため反応がわからない違和感。
学会現場のディスカッションがないため、発表者へのfeedbackがない。
そのため、新規テーマの研究が熟成しないのでは?
さまざまな視聴の選択権は視聴者側にある すなわち発信者と視聴者との境界線が大きく変わってきている。
対コロナの中でできる全く新しい研究アプローチの手段があるのではないかと、朧気ながら感じてきている。

0 件のコメント:

コメントを投稿