2019年5月3日金曜日

箭内道彦 サラリーマン合気道 幻冬舎文庫 2010年

箭内道彦 サラリーマン合気道 幻冬舎文庫 2010年。
ふむふむと納得しながら一気に読んだ。脱力系の仕事術。
余分な力を使わず、相手の力を利用して勝つ。流されれば遠くに行ける。
一見、常識と反対の対応のようなアドバイスが並んでいるが、その理由を読んでいると、いずれも納得。視点の方向を変えることにこそ意義があることがわかる。まさに合気道の面目躍如といったところであろう。
まず極端に考えてみる。緊張を良しとする。うまく話そうとしない。素人の強みを利用する。プロ意識を捨てる。弱点を利用する。自分を売り込む。優先順位をつけない。締め切り間際の奇跡がある。今日が最後と意識する。失敗は経験。
ひとりでやることで現場の視点をつかむ。異業種の先生を持つ。発想法やヒントをもらう。仕事を面白いと思う。普通の礼儀と社会の常識はちゃんとしていないとダメ。自分を広告する。冷静なしたたかさ。
自分のメッセージを仕事に盛り込む。仕事が楽しくないと人生も楽しくない。常にアイドリング状態でいる。名が人を作る。手の内を明かす。回り道はゴールにつかないとわからない。回り道は意外に近道。回り道はリバウンド力を養う。偶然を楽しむ。すぐに見切る。中学生の頃の自分を満足させるためだけに人生の大半をささげているように思う。
本書から、役立ちそうな言葉を拾い上げてみた。一見して、矛盾・逆説だらけ。その時々で言葉が変わる。さまざまな場面に対して用いる道具をそろえているということか。その場に応じて変化するという合気道的極意。しかし、その理由を読めば、いずれも妙に納得する。卓越した思いつきが長時間かけた努力より評価される広告業界としての特殊性があるかもしれないが、普遍的哲学もたくさん含まれている。
なによりも、共感した言葉が一つでもあれば、すぐ、そこからスタートするだけで、どこからはじめても、すぐにスパイラルな好循環に入っていけそうである。いずれのアドバイスもそのきっかけとなりそうである。

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