2019年10月23日水曜日

バビロン・ベルリン

ドイツのテレビドラマ『Babylon Berlin(原題)』(バビロン・ベルリン)。1920年代のベルリンを舞台に、犯罪、汚職、政治的混乱が描かれたサスペンス。フォルカー・クッチャーの刑事ゲレオン・シリーズの「濡れた魚」が原作。1929年、第一次世界大戦で敗れ、経済が疲弊し、ナチス時代に進むドイツ・ベルリンを舞台にした警察小説。シリーズは 1936年、ナチが刑事警察を飲み込む年まで続くという。
1929年 濡れた魚 Der nasse Fische
1930年 死者の声なき声  Der stumme Tod
1931年 ゴールドシュタイン Goldstein
1932年 Die Akte Vaterland
1933年 Märzgefallene
1934年 Lunapark
1935年 Marlow
第一次世界大戦が終わり、帝政ドイツが終焉を迎え、ドイツ社会党率いるワイマール共和国時代に数多くの政党が乱立した。ドイツではヴェルサイユ講和条約に対する反発が強く、ドイツ国軍は連合国の監視を逃れ、兵士を私兵組織に偽装し組織を温存した。それぞれの政党が軍隊に近いものを持ち、内戦に近い状態だったという。またラパッロ条約の締結後は秘密議定書に基づき、ソ連の領土内での軍事訓練などを行った。犯罪者集団も組織化されていったという。賠償金支払いとインフレーションにより、左右両翼の暴動・反乱が相次いだ。世界恐慌以降は条約に対する不満が膨れ上がり、ナチ党の権力掌握を招いた。 反ヴェルサイユ条約を掲げたヒトラーのナチスドイツ成立以降は、軍事面での監視措置を次々に破っていった。
ドラマは、このヒトラー台頭前のドイツが、人々を巻き込んで狂気へと進んでいく混乱の時代を背景に描いている。登場するクラブ、カフェ、売春宿などは、すべて実際の歴史的な場所をもとにしており、列車なども鉄道博物館から借用するなどリアルに描いているという。衣装も、当時のファッションを再現し、当時発明されたばかりの電子楽器テルミンを演奏する姿も描かれる。第2話のクラブのステージシーンで出てくるテーマ音楽 Zu Asche Zu Staub は倒錯的でかつての「愛の嵐」や「地獄に堕ちた勇者ども」を思わせる。

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