2015年11月23日月曜日

胸部ポータブル写真の読み方

胸部ポータブル写真の読み方 櫛橋民生 編著 B5判 62頁 定価(本体2,000円 + 税) ISBN978-4-498-01372-8 2014年04月発行

ポータブル胸部X線写真を改めて勉強せざるを得なくなったのは、研修医たちへの指導を行っていて、細部を説明できないもどかしさを頻回に感じるようになっていたからです。ちょうど書店で見つけた本書は手ごろで短時間でポータブル写真の適応と限界を理解できる良書です。
 まさに、著者らが述べているとおり、CTR(心胸郭比)と日々の画像の変化という2つの問題点があります。本書はこれらに一応の解答を呈示してくれます。

2015年11月20日金曜日

CTで検出した肺野の小結節にどう対応すればよいか?

第128回 福島呼吸器疾患研究会

日 時;平成27年11月13日(金)18:30~
場 所;福島県医師会館 1階 大会議室
○学術情報 中外製薬株式会社 タミフル情報
○症例報告
 司会:済生会福島総合病院 呼吸器科 勝浦 豊 先生
大原綜合病院 臨床研修医 箱崎元晴先生
済生会福島総合病院 呼吸器科 石井先生
福島県立医科大学 呼吸器内科 金澤先生
○特別講演
 司会:大原綜合病院 画像診断センター センター長 森谷 浩史 先生
肺癌CT 検診の観察研究としての概要と発見された肺結節の経過観察
国立がん研究センター、がん予防検診研究センター検診部 外来研究員

総合東京病院 呼吸器内科 柿沼龍太郎先生
柿沼先生には膨大な前向き研究のデータ解析から明らかになりつつある、微小肺癌の自然歴を明解にご説明いただきました。
今後のガイドラインの微調整に反映されるであろう内容にも触れていただき、参加者にとっては目の前の診療に直ちに役立つ貴重なご講演でした。

会の終了後、発表した箱崎先生たちと柿沼先生を囲んで小紋でささやかな慰労会を行いました。

要旨
15000人ほどの登録、 3万件のCT 検診を行った。5年後に再度検査を受けることになっている。
5mm以下のGGO 961個検出し、5mm 以下の結節をフォローアップし、外来で追跡しました。経過観察の結果、4例の 進行adenocarcinomaが検出されています。
AIS 3cm 以下です。MIA 3cm 以下です。浸潤の大きさは5mm 以下です。それ以上のものは invasive adenocarcinomaです。
線量は15As とした。 IR-で510As IR+で5As HRCT 150mAs 1mm で、最近では100mAs以下で行う。
非喫煙者の経年検診は3年後でよいか?
GGOの体積の変化・濃度の変化・変動型によって経過予測が可能かもしれない。
pure GGO hetero GGO part solid から1%浸潤癌発生。7割は手術をしていない。Solid3mm を超えないものは2年間の経過観察でも良いかもしれない。 part solid 6ヶ月後の経過観察が必要である。
2013Fleishner Society :体積 CT solid の評価。1mm厚CTが必要。
15mm 以上20mm 程度のpure GGO の場合1年ごとの経過観察が必要。hetero GGO 1年ごとの経過観察。 pure GGO に準じる。 part solid 35mm までは許容される。半年ごとのフォローアップが必要。その後、1年ごとでよい。

2015年11月18日水曜日

東北びまん性肺疾患研究会


16回東北びまん性肺疾患研究会 平成27年11月14日15時~ 福島テルサ

症例検討(臨床・画像診断・病理)
不妊を主訴に認めた多発結節の1
肺高血圧症に至ったが脳死後肺移植施行により社会復帰を果たせたびまん性汎細気管支炎の1
同種骨髄移植後7年間で呼吸不全が進行し、生体肺移植で明らかになった肺病変
縦隔リンパ節腫脹と胸部異常陰影を呈し、診断確定目的に外科的肺生検を行った1
特別講演
膠原病に伴う間質性肺疾患の克服への取り組み

日本医科大学大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 桑名正隆 教授
1)CDMCADM  ILD Lower consolidation → GGA DAD
2)抗ARS抗体・抗MDA5抗体 ILD
MDA5抗体 randomGGAlower consolidation
ARS抗体 NSIPパターン volume lossが目立つ
randomGGAlower consolidationが重要 DADになったら救命できない
3)PM/DM合併IP・強皮症SSc  線維化・自己免疫
1/3ILDは増悪する
HRCTでの広がり 20%
Fibrosis on HRCT 進行予測 線維化スコア
予後予測因子
膠原病ILD PM/DM-ILDSSC-ILD
画像に関するコメンテータを担当した。今回は、事前に2症例の画像をいただいており、PSPのEVInsiteSに全画像を並べ、読影状況を保存しておくことで、全画像を次々に切り替えながら操作した。

2015年11月16日月曜日

第16回 福島呼吸器フォーラム

11月7日 16時から
ザ・セレクトンホテル福島
一般演題 4題
トピックス 呼気NOについて
特別講演 慢性咳嗽に関する最近の話題 名市大 新実彰男教授
研究面からの、喘息と咳嗽についての最近の情報を教えていただきました。

2015年11月15日日曜日

男の一流品カタログ

雑誌BRUTUSの過去の特集号を眺めています。
現在の日本人の興味・価値観の評価が、 「もの」や「道具」そして「価格」をものさしにすることでしか、できなくなっているように思います。
この雑誌には個人の思い出の詰まった「もの」がならべてあります。思い出を知らない他人からはただのガラクタばかりですが、さすがにそう思わせないような「一流の価格」や「優越的な蘊蓄を語れる」ものが選ばれています。「今となっては使うチャンスがありませんが、捨てられないものカタログ」 といった内容です。個人の思い入れのつまった「アルバム」ですので、読者が「カタログ」として参照するには役に立たないかもしれません。
「僕は一流の歯車となって仕事がしたい。」というコピーは、全体のシステムはおんぼろでも「自分だけは一流の歯車でありたい」 ということでしょう。他人から評価されなくとも、自分だけは襟を正して「ものを揃えて」いますということでしょうか。
「もの」が溢れてしまって、もはやカタログ雑誌も テーマを設定しがたい時代になっているようです。

2015年11月13日金曜日

第23回 大阪CCVR研究会


9月5日、第23回 大阪CCVR研究会にて
大阪大学の富山教授・本多准教授・柳川講師からのお誘いで

320CTによる呼吸動態の観察と定量化技術の現状~局所呼吸生理学への誘い~というタイトルで講演させていただきました。

内容

Historical changes of lung cancer diagnostic imaging
Respiratory dynamic CT phantom using resected pig lungs
Clinical application for chest wall invasion of lung cancer
Exposure dose reduction and higher resolution
Scan conditions

 Intermittent scanning: 20 mA to 40 mA, 0.35-s rotation.

 6-phase scanning at intervals of 1 s to 2 s between the inspiratory phase and the expiratory phase. Effective dose: 1 mSv (20 mA) to 2 mSv (40 mA)

  Continuous scanning: 10 mA to 40 mA, 0.35-s rotation scanning during a single respiratory cycle for 3 s to 6 s. Effective dose: 1 mSv or less (10 mA, 3 s) to 5 mSv (40 mA, 6 s)

呼吸動態CT撮影の実際

Diagnosis of chest wall adhesion or invasion of lung cancer

Diagnosis criteria of adhesion to the chest wall using respiratory dynamic CT

Lung cancer which touched inter-lobar pleura

気管気管支軟化症 気管支閉鎖症 横隔神経麻痺 気道閉塞

AIDR 3D (Adaptive Iterative Dose Reduction)

Ultra-low dose CT scanning

AIDR 3D Enhanced

肺癌治療前造影CTの被曝線量

線量と気管支描出

4次元トラッキング技術
 PhyZiodynamics(ザイオソフト)
 4D airway analysis(東芝メディカルシステムズ)

Noise reduction techniques for low-dose respiratory CT scanning

Dynamic lengthVelocity
DynamicVOIDynamicROI:関心領域 DynamicMASK:関心立体
呼出時の局所体積変化と変化速度

呼出時の局所肺実質の flow-volume curve Strain 
まとめ 呼吸動態解析のためのCT定量化技術 


終了後に大阪駅のハービスプラザ 日本料理 西梅田 禅園にて世話人の先生方と歓談させていただきました

そののち、宿泊のヒルトン大阪 35 Windows on the World にてジャズボーカルのライブを堪能しました。