2017年5月16日火曜日

シンゴジラ

昨年の夏、劇場公開時に観た「シンゴジラ」をDVDで再鑑賞。

「東京に原発を!」という広瀬隆氏の著作があるが、活劇映画としては、都心に核を持ち込むというプロットが「太陽を盗んだ男」の延長線上のように思える。
そう思うと、石原さとみは池上季実子のようにも見える。
雰囲気はまさに東宝映画オンパレードである。牧五郎は牧四郎(怪奇大作戦)か? 
寄せ集めチームは「七人の侍」か? 
ディテイルのこだわりは、「半島を出でよ」みたいな雰囲気でもある。
科学技術館の屋上でのラストは「太陽を盗んだ男」そのものであり、「いったい勝ったのはだれか?」という、「七人の侍」みたいな終わり方でもあった。
ゴジラはエヴァンゲリオンのように、繰り返し都心を狙ってくる自然災害・台風である。
良くできたストーリーだ。ディテイルのこだわりがホントっぽさを支え、俯瞰ショットやlow angle撮影や、あえて正面視できないような、および腰の手持ちのカメラ移動など、それらしい描き方がとてもよい。

震災後のフクシマのように、都心でも、津波と放射線汚染、そして廃炉までの道のりがスタートするわけですが、昨年、劇場で見た際の感激は残念ながら自宅のDVDでは味わえませんでした。
映画は活劇・見世物です。特にゴジラには暗闇の大画面・大音響・劇場全体のどよめきがふさわしい。
映画には旬があります。公開時に体感する愉しみは何ものにも代えがたい貴重な映画鑑賞法であることを改めて実感しました。

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