2019年12月20日金曜日

定年後の知的生産術


定年後の知的生産術 (ちくま新書) 谷岡一郎 ()    新書    836
「定年」という言葉にそそられて手に取ってみたら、何の何の。これでは「ハスラー2」のポールニューマンですね。カムバック!

以下、内容から印象的なフレーズを記しました。
 定年退職後こそ、クリエイティブに、好きな研究、夢や目標に向かって打ち込むチャンスである。これまでの仕事や人生で得た経験が、意外な組み合わせによる新しい発想や、本質を見抜く眼力に通じる。本書は定年後のクリエイティブ・シニアを応援する一冊。
現在はこだわらなければ全員が大学へ進学できる時代。かつての団塊の世代のような熾烈な競争意識はない。
 団塊の世代のメリットとして、評価を得たいという意欲。学ぶこと自体が楽しい。競争の経験と個人主義の追及。などがある。〈a オールラウンド型の知識のほかに、「これだけは負けない」という「エキスパート型の」得意科目を持つ。b 学ぶ楽しさを知っている。c 経済的余裕。d 競争経験。e新しい価値観にチャレンジした経験。f 新しい知識に対する意欲と能力〉
真にトップになるという決断の有無が成長を左右する。

 時間的・金銭的な余裕が比較的あることは、シニア世代の大きなアドバンテージである。 
民間パワー:目の前の事象から普遍的な理論を発見する。否定されても失うものがない。
マズローの欲求充足のヒエラルキー。
何でもやってみよう・勇気をもって断ろう
メモは知的生産の第一歩。質問がヒントとなる。
批判的に読む。
役に立つ情報の取捨選択法。
学問の尊厳に対する態度
1.データの管理保存と開示
2.公的な質問に対する回答
3.誘導
ゴミ情報とノイズ情報。断定口調を疑う。情報の裏を読む。

 資料整理術。最終的には著書の刊行へ。
トピックごとにカバンを用意する。
元ノートと元ファイル。図表が出来上がるごとに元ファイルの後半に放り込む。
サブファイル:チャプターごとに1冊。
大きなテーマを複数のサブトピックに分割。それぞれでノート・クリアファイルを準備。
1.アイデアをまとめる。
2.チャプター構成:目次の章立て。
3.メモ。思いついたことを書く。資料には出典と日付を明記。写真も。
先行研究のフォーマットは役に立つ。
15分スピーチ数本。1冊にまとめる。
15分スピーチ2本。本の1章。
5から8章で新書1冊。
まずやってみる。Breaking new snow。リスクを取らなければ喜びはない。
勇気と決断・困難と不安が人を育てる。
失敗の経験は貴重。

 いわゆる「団塊の世代」こそが「クリエイティブ・シニア」としてこれからの時代の知的活動を牽引していくという「超・強気宣言」が本書の主張である。しかし、内容は決して団塊世代だけではなく、すべての世代が実践できる知的活動のノウハウを平易に、時に熱く論じている。

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