100年インタビュー「山中伸弥が語るiPS細胞の未来」
山中教授が所長を務める京都大学iPS細胞研究所では、倫理学部門を設置し、常に「科学の暴走」にブレーキをかける「別の視点」を機能させているという。
研究者として大きな転機となったアメリカ・サンフランシスコでは、山中教授が恩師から言われた「VW」という言葉。フォルクスワーゲンではなく、view と work hard。方向を見定めることがとても重要だという言葉に納得しました。山中教授ならずとも研究者の原点と思います。
また、100年後の未来のために我々がどうすべきか、という後半のインタビューでは、かつて優生学が犯した過ちをいつの時代でも犯してしまう危険性がある。いま、われわれが目指している学問も、もしかすると優生学と同じ道を歩んでいるかもしれない。その評価は100年後になされるという真摯な思いはとても感動的でした。
たいへん重い言葉であり、また、私たちの目の前で「正しいはずだ」と思い込んで行っていることがいかに多いかと、振り返させる言葉でもある。すべての研究者や医療者が戒めとして刻み込んでおかなければならない言葉であろう。
事例ごとに、そのときそのときに最善をつくす対応が、じつは大きな方向の過ちを犯さない方法である。思い込んだ方向決めは過ちを孕んでいる場合がある。充分にviewを検討していてもなお軌道修正できる仕組みを考えておく。情熱の裏に常に謙虚さを持つ。先人たちの教えが同じ方向へ収束しているように感じる。
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