第62回日本肺癌学会学術集会 シンポジウム4 肺癌検診のグローバリズムと将来性 2021-11-26 09:00 - 10:30 第3会場 | パシフィコ横浜 ノース 3F G303+G304 [座長] 中山 富雄(国立がん研究センターがん対策研究所検診研究部)[座長] 小林 健(石川県立中央病院放射線診断科)
以下、抄録の抜粋です。SY4-1 非/軽喫煙者に対する5年に1回のCT検診の有効性評価のための無作為化比較試験:The JECS Study [演者] 佐川 元保:東北医科薬科大学医学部光学診療部
NLST研究,NELSON研究と2つの大規模無作為化比較試験が肺癌死亡率減少効果を示したことから,重喫煙者に対する低線量CT肺がん検診の有効性はおおむね確実になったものと考えられる.しかしながら,非/軽喫煙者に関するエビデンスは,日立地区のコホート研究など一部にとどまり,いまだ十分とは言えない.
SY4-2 IASLCでのCT肺癌検診の国際協調 [演者] 芦澤 和人:長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床腫瘍学
IASLCは,CT肺癌検診における早期肺癌の検出とマネジメントのための定量的イメージングの応用を促進するため,新しいプロジェクトEarly Lung Imaging Confederation(ELIC)を開始した.目標は,胸部CT画像を用いて肺の小結節とその周囲構造の特徴づけによって早期の肺癌やその他の疾患を検出するため,また治療介入に対する反応性を測定するためのディープラーニング手法や人工知能アプローチの開発を支援することである.
SY4-3 The Current Status of Low-dose CT Screening for Lung Cancer in Korea [演者] Jin Mo Goo:Department of Radiology, Seoul National University College of Medicine, Korea
In 2016, the Korean government planned to implement a national lung cancer screening program using low-dose computer tomography(LDCT)to tackle lung cancer mortality.
SY4-4 DRの応用と超低線量CTによる検診の可能性 [演者] 坂井 修二:東京女子医科大学画像診断学・核医学
Digital Radiography(DR)はComputed Radiography(CR)と比較し,時間分解能が良好であり,TomosynthesisやEnergy Subtractionへの応用が可能である.さらにdeep learningにより,通常の高電圧撮影の1枚の画像から軟部画像を作成する,胸部骨減弱処理が可能となっている.一方,逐次近似再構成によるCTは低線量から超低線量CTの検診の応用が開始され始めている.通常の胸部CTの診断参考レベル(DRLs 2020)がCTDIvolは13mGyで,日本CT検診学会が2017年に発表した「低線量CTによる肺がん検診の肺結節の判定基準と経過観察の考え方 第5版」で示している撮影例でのCTDIvolは0.6―2.2mGyである.最近では,CTDIvolを0.15―0.2mGyで撮影し,検診に応用している施設もみられる.
SY4-5 マイクロRNAを用いた次世代型がん検診 [演者] 落谷 孝広:東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門
多くのがん種で血液中を循環するマイクロRNAが,がん患者と健康成人とは異なっており,体液中マイクロRNA診断が新しい早期発見のモダリティーとして有望であることを研究してまいりました.