2021年11月18日木曜日

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
劇場公開日 2020年3月20日
1969年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会の様子を軸に、三島の生き様を映したドキュメンタリー。
この内容はすごい。1975年に入学した福島医大でも「民青」「全共闘」「革マル」といった活動があり、学内には黒と朱色で独特のレタリングで書かれたいわゆる「タテカン」が立っていました。集会では難解な言葉が飛び交い、ぶつかり合う主張の違いを理解できないことがしばしばでした。定義がよく分からない言葉のぶつけ合いなので、結局、抜け出して喫茶店でマンガ雑誌を読んでいました。
この映画は、あの当時の論争を克明に記録しています。わざわざ難解に話そうとする学生たち。三島が学生の言葉をそのまま受け止め、真摯に、かつ理解しようと答弁する姿勢に圧倒されます。有名小説家を論破しようと挑みかかる学生たちに、決して論破することなく、言葉を丁寧に受け止め、その齟齬を埋めようとする三島。真剣で挑みかかる道場やぶりを竹刀でハラリハラリとかわす剣豪のようでもありました。

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