東北へのまなざし1930-1945 2022年6月4日(土)〜7月10日(日) 福島県立美術館。
太平洋戦争へと傾斜していく1930年代は、一方で昭和モダンとよばれた都市文化が爛熟しました。写真を多用した新たな視覚文化や、インターナショナル・スタイル建築、シュルレアリスムなどの前衛絵画が台頭する一方で、地方には伝統的な工芸や生活が連綿と受け継がれていました。小さな日本の中に、革新と伝統、都会と地方といった両極が混在した時代だったのだと思います。
特に、雪深い東北地方には古くからのしきたりや生活が残っていました。この頃、先端的な意識を持った人々が相前後して東北地方を訪れ、その土地の建築や人々の生活用品に注目し、これらを記録、蒐集、展示などを行いました。1933年に来日した建築家ブルーノ・タウト、1926年以降本格的に民藝運動を展開した柳宗悦、1940年に来日したシャルロット・ペリアンなどは、そうした人々の一例です。彼らの活動により、東北地方の生活と工芸品や住宅様式などが記録されました、
また、こけしや郷土玩具への関心も飛躍的に高まり、それらを収集、紹介した武井武雄、山内神斧らの活動もありました。さらに「考現学」の祖・今和次郎や『青森県画譜』を描いた弟の今純三、東北生活美術研究会を主導した吉井忠などの東北出身者たちも、故郷の人と暮らしの貴重な記録を残しています。
この展覧会は、東北に向けられた彼らの「眼」を通して、当時、後進的な周縁と思われた東北地方の豊かな文化のありようを、展示しています。(福島県立美術館ホームページ文章より改変引用 )
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