昭和32年の松竹映画。犯人を追って、東京から九州まで、リアルに蒸気機関車が登場します。車内の情景が、まさにあんなだったなあと懐かしく感じますが、自分が経験した記憶か、TVや映画で見聞きした記憶化か判別できません。フィリップKディックみたいな脳内状況です。CGや合成でなく、実際に日本の風景を機関車が走っていきます。
モノクロの映像が、ギラギラとした真夏の一週間を鮮明に描き切ります。強烈な光と真っ黒い影のコントラスト、滴る汗、真夏の暑さと小川の涼しさ、温泉の清涼感が丁寧に描かれます。対象者には深く入りこまず、感情移入させません。真面目に細部まで丁寧に作られた映画です。野村芳太郎、橋本 忍、松本清張の自信に満ちたサスペンス映画です。
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