2020年6月22日月曜日

マイバックページと賭けマージャン

久しぶりに「マイバックページ」を見ました。
この映画は60年代から70年代初頭の学生運動の時代の青春物語の体を取りながら、ジャーナリズムの矜持と立ち位置を描いています。
原作者の川本三郎氏は、著名な映画評論家です。昔から、キネマ旬報の氏の映画評を読んでいました。氏が、朝日新聞社に入社し「週刊朝日」と「朝日ジャーナル」に関わっていたこと、また、当時、このような過去があったことは、この映画を最初に見るときまで知りませんでした。

今回、映画を見ていたころに、ちょうど、賭けマージャンの騒動が起きていました。
2020年6月20日の朝日新聞朝刊に「私たちの報道倫理、再点検します 朝日新聞社員と前検事長、賭けマージャン問題」という《中村史郎 朝日新聞執行役員編集担当兼ゼネラルマネジャー》の声明が掲載されました。
緊急事態宣言が出されているさなか、朝日新聞の元司法担当記者が黒川弘務・東京高検検事長(当時)と賭けマージャンをしていた問題で、読者から「権力との癒着だ」という批判が多く寄せられたといいます。結果的に、朝日新聞は今回の行為を極めて不適切だとして社員を厳正に処分したといいますが、社員は黒川氏と知り合うことで取材できるわけですから、その延長線上の職務上の行為とも思われます。と、すると、問題は「賭けマージャン」であって、これは報道倫理ではなく一般社会通念を知らなかったのか?という問題でしょう。とはいえ、朝日新聞としては取材先との向き合い方が問われる報道倫理の問題と受け止めているとのことです。特ダネと共感を求めてのめり込んでいく「マイバックページ」と重なって感じてしまいます。
中村氏は、朝日新聞記者行動基準を適宜、見直すと述べています。記者の責務として「記者は、真実を追求し、あらゆる権力を監視して不正と闘うとともに、必要な情報を敏速に読者に提供する責務を担う。憲法21条が保障する表現の自由のもと、報道を通じて人々の知る権利にこたえることに記者の存在意義はある」、また、記者は「独立性や中立性に疑問を持たれるような行動をとらない」としています。「取材先からは、現金や金券等を受け取らない。品物についても取材資料や通常の記念品等以外は受け取らない。職務の尊厳を傷つけ、記事の公正さに疑念を招くことになる」としています。

朝日新聞綱領 1952年制定
一、不偏不党の地に立って言論の自由を貫き、民主国家の完成と世界平和の確立に寄与す。
一、正義人道に基いて国民の幸福に献身し、一切の不法と暴力を排して腐敗と闘う。
一、真実を公正敏速に報道し、評論は進歩的精神を持してその中正を期す。
一、常に寛容の心を忘れず、品位と責任を重んじ、清新にして重厚の風をたっとぶ。

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