2021年11月19日金曜日

東京MER

先日まで 東京MER という医療系のTVドラマをやっていました。日曜夜9時の半沢直樹枠の番組で、注射するにもズブっと大きな効果音が入るような演出でした。ここまでくると、これは斬新な医療エンターテイメントです。ドクターXとゴレンジャーなどの戦隊ヒーローモノをかけ合わせたようなごちゃまぜ感が半端じゃありませんでした。1話完結で、日曜夜のドラマとしては、計算された設定だったと思います。
主人公は救急医療の若き名医で、海外でテロリストを救命したことから勾留されていたという過去があります。災害現場では炎や粉塵が舞い上がる中でゆっくりとスローモーションで登場してきます。まるでアーノルド・シュワルツェネッガーのターミネータです。そう、彼は救急救命ターミネータなのです。目の前に患者がいれば、その時できる最善の対応をして、とにかく死なせない。その倫理観が一貫しています。再び、テロリストを救命するところで話は終わりますが、さて、この一見崇高とも言える倫理観は正しいのか?というのがこのドラマの裏テーマでしょう。
人の命を取るという行為は国家だけが許されています。死刑あるいは戦争です。いずれも国の指示下で誰かが手を下します。人命を優先するという医師としての倫理観はこれより優ると思いたいですが、国家資格である以上、医師免許を持って行う行為はもっと下の階層で規定されていると思います。死刑に値する人間を医師の倫理観のみで救って、野に放つことが許されるのか? ドラマでは、彼がその代償としてかけがえのないものを失うエピソードもしっかりと描かれています。

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