2022年8月17日水曜日

NHK特集とマスメディアの行き先

最近、過去のNHK番組を見る機会が増えています。著名人のインタービューや人物を追ったドキュメンタリー、あるいはNHK特集という特定テーマのシリーズ企画などです。どれも丁寧に作られていて見ごたえがあります。「街道を行く」を見ていると、司馬遼太郎の紀行をベースに丁寧に取材を行い、ドキュメンタリー映像作品として色褪せません。内容の掘り下げ方も、最近の物と比較して、誠実で重厚です。作り手の姿勢・立ち位置(司馬さんは・・・というナレーションで語られますが)も明確です。内容も楽しめますが、制作当時の雰囲気がわかり、映像資料としての価値もあります。
最近のモノは過去の映像資料を並べ替えて、つなぎに最新の映像を加えて、独善的なストーリーを強引に作っている安直感が否めません。機材が安価で軽量化しており、確かに当時と比べて製作が安上がりにできるようになっています。映像が誰にでも扱える時代です。制作のセオリーを無視した、手持ちのぶれた映像にこそ、逆にリアルさを感じる時代です。TV映像の作り手たちもSNS的になってきていると思います。時間をかけて企画を練って、丁寧に作り上げる練達の手法も継承してほしいと思います。
TVメディアもまた自己否定の方向へ流れているように感じます。

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