2022年11月9日水曜日

教養としてのテクノロジー―AI、仮想通貨、ブロックチェーン

教養としてのテクノロジー―AI、仮想通貨、ブロックチェーン  (NHK出版新書 545)  新書 – 2018/3/8 伊藤 穰一 , アンドレー・ウール (著)
想像していた内容とは、いい意味でだいぶ違っていました。現在のコンピュータテクノロジーが社会や生活にどのように影響していくかについて、平易に述べられています。特に、氏が実際にやってみて、経験したこと実感したことが論点の基盤であり、説得力があります。なるほど、そういうことなのかと納得することしきりでした。
「AI」ムーアの法則に基づくコンピュータ進化が徐々に減速している 根本的な原理が変わらなければ劇的な進化は望めない 適当なサイズが良い
「ミーニング・オブ・ライフ(人生の意味)」金のためだけに〈働く〉のではない。
「仮想通貨」仮想通貨の出自とその概念 自分でやってみることが大切だ 
純粋な学問だけでなく「実効的な研究」 
「ブロックチェーン」脱中心と自然通貨 金で買えない価値 見返りを求めない関係 
「自動運転」誰を犠牲に設定するか 
「人間拡張」 
「ペデストリアンシティ」・「ローカリティ」持続可能性 
「アンスクーリング」自分で決めて自分で学ぶ 評価のない自由 子供から学ぶ 
「フューチャリスト」と「ナウイスト」将来の準備より今を生きる方法を
インターネットとAIの登場 変化に適応する柔軟性が必須
日本人ならではの「こだわり」「ラジカルさ」「長い時間軸」「島国のよさ」「ハピーが必要」
AIに関しては、人間社会が育んできた文化的背景を理解しつつ、どのような面で活用されることになるか興味深いと思います。AIは基本的に世の中の事象を数学的に解決する技術です。医学診断においては、画像から定量化して閾値を決めて判定するのが今までの画像診断法でしたが、AIは「定量化から閾値決定」をブラックボックス化しています。とは言ってもプログラム内では定量化が基盤になっています。診断がエンドポイントであれば、結果の理解も納得できそうですが、治療法について、QOLをエンドポイントにしたり、社会の経済原理をエンドポイントにしたりすることも可能ですので、そう考えていくと厄介です。

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