2022年11月23日水曜日

任侠外伝・玄界灘

懐かしい。安藤昇(東映)、宍戸錠(日活)、状況劇団のぶつかり合い。
安藤昇の朗々と歌う「黒犬」に痺れます。まるで安藤昇のミュージックビデオです。唐十郎のケレンがフィットしていない感がありますが、それらを全部飲み込んだ雑然としたパワーが上回っています。
玄界灘を行き来して人や物資を運ぶ認識票の束に絡まれた男。実弾を使って海を撃つ安藤昇のニヒルな目に痺れます。
根津甚八と李礼仙の瑞々しさ。いまのビジュアル主体のスピード感・リアル感とは異なる「舞台のスピード?」と思わせるようなギクシャク感あり。現存する映像の中で、根津甚八が最も生き生きとしていた映画だと思います。
認識票:戦場で死んだ軍人の身元がすぐわかるように、各人が身につける、名前その他を刻印してある金属製のプレート。 1949年の第一、第二ジュネーブ条約は、戦死者識別のため複式の認識票の一片を、単式の認識票の場合には認識票を死体に残さなければならないと規定している。

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