2019年3月11日月曜日

推理の王1 無証の罪

中国の連続サスペンスドラマ『バーニング・アイス』
推理の王1 無証の罪
ひさびさにTV画面で堂々と煙草を吸うシーンを見た。しかも、とんでもない吸い方だ。
フィルタ付きタバコから慣れた手つきでフィルタを抜きとり、反対側の切り端をくわえて残っているフィルタの包み紙に着火してボッと火が付いたところを大きく吸い込いこむ。
中国の貧民層の吸い方だという。
煙草をくわえたまま表情を変えずに楽々と若い男を絞め殺す。アナザーカントリーの殺し屋と似た役作りでしょう。シリアルキラーとも違う、方法にこだわりなく、目的を持って、あるいは、衝動的に行動し、淡々と処理する。中国には戸籍に載らないようなこういう男がたくさんいるのではないかという不気味さを感じさせる。
ストーリーはハルビン(哈爾浜)の雪だるま殺人事件から始まる。雪だるまに遺体を括り付け、私を捕まえてみろというメッセージを残す連続殺人事件である。被害者の愛人・朱慧茹がヒロインであるが、その純粋ぽさはどこまで本物なのか?
きっかけは、朱慧茹の幼馴染・郭羽の善意。小さな思いやり・弱者への救いの手を差し伸べることで、悪意が付け込み、次の犯罪へ繋がっていく。恐怖が次々と連鎖するのだ。嘘と恐怖が絡み合って大きな悪意へつながっていく、雪だるま型犯罪。
たくさんの人物が登場する群像劇だが、緻密に計算されたストーリーに沿って絡み合って進む。事件を担当する厳良と、ライバルだった元監察医・駱聞の魅力的な描き方。
クールでスタイリッシュなサスペンスドラマです。無証の罪とは推定無罪の意味でしょう。証拠がないのだから自供さえしなければ絶対に罪に問えないと元監察医・駱聞が嘯く。

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