2019年8月17日土曜日

落語家たちの戦争

いわゆる「禁演落語」とは、噺華美風俗的で“戦意高揚”にそぐわないとして1940(昭和15)年に口演禁止となった落語…廓話や間男、心中などの五十三話のこと。禁止したのは、実は軍部や政府など“お上”ではなく、落語家たちが自身の手によって「禁演落語」を選び出し、口演しないことを決めたのだという。
さらに、軍部・政府の命令で戦意発揚のプロパガンダとなる「国策落語」が作られていく。番組では、林家三平による「国策落語」が“完全再現”されました。本当に面白くないですよと何度も前置きするほどの確かに窮屈な噺でした。
昭和元禄落語心中の中で、初太郎 / 助六が戦時中、日本軍の慰問のために、七代目八雲のお供で満州に渡り、「人の為に落語をやる」という使命を見出すという件がありました。いったい、この時の助六の話ネタは「禁演」だったのか、「国策」だったのか、興味深く連想しました。

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