「ポスト・コロナ時代の日本社会の未来」コロナ禍によって根本からの社会変革が求められる中、大学はその核となれるのか。「朝日教育会議2020」早稲田大学・朝日新聞社。【早稲田大学国際会議場・井深大記念ホール、2020年11月29日開催】
■基調講演 課題発見し解決導く知性、必要 早稲田大学総長・田中愛治さん デジタル革新によって、知識や情報、あるいはそれらを活用したサービスが経済的価値をもつ時代に変わりつつある。しかし、日本社会はその転換に立ち遅れ、大学で育った優秀な人材が適材適所で活躍できない例も目立ってきている。ポスト・コロナ時代の社会では、間違いなくデジタル化が加速する。コロナ禍ではオンライン教育の効果が認められているが、大学教育の真価は討論による熟議である。これからは熟議を促す対面の場と、熟慮を促すオンラインの二つを組み合わせることが重要となる。変化に対応でき、デジタル技術を使いこなし、かつ自分の頭で考えられる人間が、日本・世界を変えることにつながる。課題を発見するしなやかな感性と、適切な解決策を導くたくましい知性が必要である。そのためには、日本語と英語の論理的文章力、数学的思考、データ科学、情報科学といった基盤教育を人文社会系・理工系を問わずに学び、論理的な発信とエビデンス(根拠)に基づいた議論が出来る力を身に付ける必要がある。
■プレゼンテーション 企業との「協創」、ビジョンから 東京大学総長・五神真さん デジタル革新は例えば、スマート農業、3Dプリンターによるオンデマンド生産、個人の遺伝子の特徴に合わせて治療方法を決めるテーラーメード医療など、実空間とサイバー空間が融合した多様なサービスを生み出す。コロナ禍におけるオンライン講義を支えたのは、近年のデジタル革新である。予習用教材を用意し、学生の理解が深まるという今までになかった効果も得られている。
■プレゼンテーション 国内外の教育コンテンツ、人気 YouTube日本代表・仲條亮子さん YouTubeは、多様なコンテンツを提供する「現代の動画ライブラリー」である。最近では「学び」の動画が注目を集めており、学習に役立つ動画から、資格取得やスキルアップのための動画まで、分からないことを学ぶ場として利用されている。YouTube上で授業の動画や資料を公開する海外の有名大学も少なくない。このように多くの「学び」の動画が提供されている背景には、学びの場を求める人の増加がある。
0 件のコメント:
コメントを投稿