2022年8月13日土曜日

新・街道を行く 三浦半島記

鎌倉殿の放送に合わせて即席で作られた「街道をゆく」でした。過去に放送されたものと比べて、取材の厚みや丁寧さがなく、いかにも即席で作った印象です。岡田某という役者をキャスターに使っているため、オリジナルの主張すべき内容が軽々しくなっています。彼はなんと1日で撮ったと述べています。
田中さんのナレーションだけのほうがよかったでしょう。原作は、「その土地と生活が育んだ民族の気質、その裾野があってこそ時として傑出したキーマンが出現する」という、奇跡が生まれる普遍性を繰り返し伝えたルポルタージュです。三浦半島から日本の武士の精神性の成立の必然を考えるのが、この回のテーマだと思います。キーワードは「廉恥」と「スマート」です。考える受け手は視聴者であり、岡田某が理解するか否かはどうでもいいことです。せっかくのテーマがふやけたものになってしまいました。NHKの作り手たちも「専門性の誇り」を失い、軽々しくなっているようです。

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