ALARAという略語はご存じでしょうか? As low as reasonably achievableの頭文字を取ったもので、特に小児のX線検査において被曝線量に留意が必要であるとした提言です。適正条件の判断が普及していないため、なかなか一般の撮影現場に徹底されていなかったのが現状ですが、福島県の原発事故以降、放射線被ばくという言葉が日常会話で用いられるようになり、撮影時に意識するようになってきています。
原発事故後、1回のCT検査が7mSvと報道されました。実際には被検者の体格によって異なり、胸部CTで5-10mSv、腹部CTで10-20mSv程度です。大原医療センターの320列CTでは新しい再構成技術により従来の1/2~1/4の被曝低減撮影を行っています。この手法を用いることで胸部CTは1-3mSv程度で撮影できます。また、人間ドックなどの健診や肺がんCT検診では、さらに0.2-0.4 mSvまで被ばくを低減した超低線量CTも撮影できます。
臨床診断における被ばくの低減はガイドラインや比較試験などのエビデンスに基づいて行わなければなりません。そのためには、過去の文献に当たり、他の施設の経験を知り、場合によっては実験などによる比較試験を行い、As low as reasonably achievableな具体的設定を明らかにしていかなければならないと思います。
2015年1月30日金曜日
2015年1月28日水曜日
脳のMRI 微小脳出血(CMBs)と無症候性脳梗塞について
MRIは複数のシークエンスを組み合わせて撮影を行います。人間ドックなどの脳MRI では各種シークエンスで CT 撮影と同様の軸位断撮影を行い、その他に MRA という脳動脈撮影を行います。最近では脳出血の有無の確認に磁化率効果に鋭敏な撮影法であるグラジエントエコー T2スター強調画像(T2*WI)、MRA による頚動脈の血流評価も簡便に撮影できるようになりました。
T2*WIでは小さな陳旧性の脳出血が高い検出感度で確認できますので、微小脳出血(CMBs)という概念が新たに提唱されています。病理学的には、破綻した毛細血管からのわずかな出血が血管周囲のマクロファージに貪食されヘモジデリンとして蓄積した状態です。T2*WIでCMBs を有する症例は脳出血の危険が高まる傾向にある可能性が示唆されています。
また、無症候性の脳梗塞(T2強調画像、FLAIR画像で高信号、T1強調画像で低信号を呈する病巣)は血管内皮細胞障害に基づく脳小血管病と考えられています。
これらは症候性脳血管障害の一つの危険因子もしくは予備軍として考えられています。これらを有する症例においては高血圧や喫煙、コレステロール、 metabolic 症候群、慢性腎臓病等の危険因子の管理が重要とされています。
T2*WIでは小さな陳旧性の脳出血が高い検出感度で確認できますので、微小脳出血(CMBs)という概念が新たに提唱されています。病理学的には、破綻した毛細血管からのわずかな出血が血管周囲のマクロファージに貪食されヘモジデリンとして蓄積した状態です。T2*WIでCMBs を有する症例は脳出血の危険が高まる傾向にある可能性が示唆されています。
また、無症候性の脳梗塞(T2強調画像、FLAIR画像で高信号、T1強調画像で低信号を呈する病巣)は血管内皮細胞障害に基づく脳小血管病と考えられています。
これらは症候性脳血管障害の一つの危険因子もしくは予備軍として考えられています。これらを有する症例においては高血圧や喫煙、コレステロール、 metabolic 症候群、慢性腎臓病等の危険因子の管理が重要とされています。
2015年1月26日月曜日
大原医療センターの環境放射線値の推移
県北 福島市疼痛緩和医療連携カンファレンス 世話人会
1月22日 19時から開催されました。会則、会の名称、今後の運営方針について話し合いました。ちなみに次回は3月に大原綜合病院が当番世話人で開催する予定です。
2015年1月21日水曜日
第13回 ADCT研究会
1月14日 表記研究会を行いました。
宮城県立がんセンター 後藤さんから RSNA2014 参加報告
大原綜合病院 森谷から RSNA2014 発表演題の紹介と 画論2014 で紹介した AIDR3D enhancedの臨床画像供覧
東芝メディカルシステムズ 鎌田さんから RSNA2014 の東芝ブースの報告と新技術について
以上についての口演と質疑応答ののち、新年の交流会を行いました。
2015年1月15日木曜日
急告‼︎ 第9回 画像診断セミナーは中止となりました
1月16日に予定しておりました 第9回 画像診断セミナー 胸部単純X線写真 は講師の野間先生のご都合により、まことに残念ですが、中止となりました。
みなさまも悪い風邪にはくれぐれもご注意ください。
みなさまも悪い風邪にはくれぐれもご注意ください。
2015年1月8日木曜日
第9回 画像診断セミナー 胸部単純X線写真 のポスターを改訂しました
第9回 画像診断セミナー 胸部単純X線写真
開催日時 平成27年1月16日(金)18:45~
会場 ウエディング エルティ
特別講演 見落とし例から学ぶ胸部画像診断
講師 天理よろづ相談所病院 放射線部 診断部門 部長 野間惠之 先生
単位取得証明書の注意点とお願い
出席証明等(参加証など)の提出時、 無記名は不可となっておりますので、必ず氏名をご記入頂き、 提出時まで保管をして頂けるようお願いいたします 。
また、講演プログラムを併せて保管されてください。
(プログラムは本ブログに画像データで添付しておりますので、印刷してお使いください)
開催日時 平成27年1月16日(金)18:45~
会場 ウエディング エルティ
特別講演 見落とし例から学ぶ胸部画像診断
講師 天理よろづ相談所病院 放射線部 診断部門 部長 野間惠之 先生
本研究会は肺癌CT検診認定機構の単位認定研究会(出席5単位)および日本X線CT専門技師認定機構の単位認定講習会(種別 II-3 半日未満・単位 受講者単位数1単位)です。
講師は野間先生おひとりですので、単位は上記となります。当日、出席・受講される放射線技師には出席証明書を準備します。
講師は野間先生おひとりですので、単位は上記となります。当日、出席・受講される放射線技師には出席証明書を準備します。
単位取得証明書の注意点とお願い
出席証明等(参加証など)の提出時、
また、講演プログラムを併せて保管されてください。
(プログラムは本ブログに画像データで添付しておりますので、印刷してお使いください)
県北 福島市疼痛緩和医療連携カンファレンス
2014年11月27日18時45分、福島テルサにて開催。ほぼ満員の会でした。
まず、情報提供として WHO方式がん疼痛治療法と神経障害性疼痛治療法について、レクチャーしていただき、引き続いて3題の一般演題について発表・討議されました。
1.アロマテラピー 済生会福島 野地さん
2.麻薬管理 大原綜合 紺野さん
3.退院支援 寿光会病院 佐藤さん
と多岐にわたる内容でした。
と多岐にわたる内容でした。
個々の演題をたいへん興味深く聴かせていただきました。
がん拠点病院のような専門病院で診てもらえる患者は限られています。この会はあくまでも一般の医療機関での泥臭い現実の課題を話し合える会でありたいと思います。
第9回 画像診断セミナーが日本X線CT専門技師認定機構の単位認定講習会とな りました
第9回 画像診断セミナー 胸部単純X線写真
開催日時 平成27年1月16日(金)18:45~
会場 ウエディング エルティ
特別講演 見落とし例から学ぶ胸部画像診断
講師 天理よろづ相談所病院 放射線部 診断部門 部長 野間惠之 先生
単位取得証明書の注意点とお願い
出席証明等(参加証など)の提出時、無記名は不可となっておりますので必ず
氏名をご記入頂き、提出時まで保管をして頂けるようお願いいたします。
開催日時 平成27年1月16日(金)18:45~
会場 ウエディング エルティ
特別講演 見落とし例から学ぶ胸部画像診断
講師 天理よろづ相談所病院 放射線部 診断部門 部長 野間惠之 先生
が日本X線CT専門技師認定機構の単位認定講習会(種別 II-3 半日未満)に認定されました。
(講師単位数1単位 受講者単位数1単位 講師講習会受講の場合は講習会受講単位に加算されます)
後日、機構のホームページへも掲載されます。
当日、放射線技師さんに出席証明書をお渡しします。
後日、機構のホームページへも掲載されます。
当日、放射線技師さんに出席証明書をお渡しします。
単位取得証明書の注意点とお願い
出席証明等(参加証など)の提出時、
氏名をご記入頂き、
2015年1月1日木曜日
地域連携相談室から新年のごあいさつ
新年あけましておめでとうございます。
「医
療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の五つのサービスを一体的にとらえる地域包括ケアシステムが各方面で検討されております。勉強不足で、なかなか全
体像がイメージできずにいますが、本年は否応なく、この地域包括ケアシステムの視点から病院機能を考えなければいけないようです。
昨年、大原綜合病院では、先生方からの紹介窓口である地域連携室と入院患者の退院にかかわる医療相談室を一つの組織とすることで、入院から退院までスムーズに対応できるよう体制を整えました。地域包括ケアシステムをほんの少し意識した組織変更です。ぜひご活用ください。
特に、地域連携相談室は先生方と直接接する部門ですので、face to faceの対応ができなければ個々の職員の成長もありません。ぜひ、先生方のご施設の職員同様に気軽にお声をかけていただきますよう、お願い申し上げます。
ひとりひとりの患者さまに愚直に対応していくことこそ県北医療圏における大原綜合病院の機能の具現に他ならないと意識し、本年も顔の見える連携を粛々と続ける所存であります。
ご指導・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
地域連携相談室 管理者 森谷浩史
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