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第38回呼吸器内視鏡学会学術集会 2015年6月12日 低線量CTデータを仮想気管支鏡に 用いる際の適切な再構成法の検討 佐久間光太郎・森谷浩史
背景)近年、逐次近似法と呼称されるノイズ低減画像再構成法が開発され、特に臨床肺野画像においては従来の2分の1程度の低線量CT撮影が許容されると報告されている。しかし、低線量CTと逐次近似再構成が仮想気管支鏡画像作成に与える影響は検討されていない。
目的)仮想気管支鏡画像作成に対する低線量CT・逐次近似再構成法の影響を検討する。低線量化は仮想気管支鏡画像作成の障害となるか?障害となる場合、逐次近似再構成により改善するか?
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撮影方法・撮影条件)気管支自動抽出における問題点。低線量による抽出気管支容量の変化 低線量時の抽出気管支容量の変化 スライス厚による抽出気管支容量の変化 FBPとAIDR3Dによる抽出気管支容量の変化
結果のまとめ)スライス厚にかかわらず、線量が低下すると、抽出できる気管支内腔容量は減少した。スライス厚を薄くすることで 240 mA および 120 mA では抽出できる気管支内腔容量が有意に増加したが、60 mA では効果が不明である。抽出気管支容量においては AIDR 3Dの効果は認められなかった。むしろ 60 mA では有意に低下した。抽出エラーの発生は 60 mAで多く、120 mAでは AIDR 3D を用いると抽出エラーが増加した。視覚評価では240mAで微小な気管支の描出が多かった。これらは、体積変化にはあまり寄与していない。
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考察② 障害となるならば、逐次近似応用再構成により改善するか? 低線量において、逐次近似応用再構成による気管支描出の改善は認めず、超低線量ではむしろ障害となった。このことは逐次近似再構成による空間分解能低下が影響している可能性がある。現在のSDの改善に主眼を置いた逐次近似再構成法だけでなく、気管支のような微細構造物の描出に主眼を置いた新たな処理法が必要になるかもしれない。
まとめ)低線量/超低線量CTにおいては気管支抽出能は低下し、逐次近似再構成法を用いても改善しない可能性が示唆された。Limitation : ひとつの気管支抽出ソフトウェアのみでの検討であり、他のソフトウェアや仮想気管支鏡に当てはめることができるまでは未検討である。微小気管支は体積に反映されていない可能性がある。
会場では聖マリの栗本典昭先生にお会いし、CT枝読み術の話をお聞きしました。むかし自分でもやっていた技法ですので、すぐに納得できました。同様の操作がziostationなどの今のワークステーションでは簡便に実現できそうなので、後日、改めて相談したい旨、・・・。
京王プラザからハイアットリージェンシーへ移動し、推進会議に出席。オリンパス社の今後の開発状況の説明を受けました。EBUS関連の操作性向上機種と新しいBFnaviの説明を受けました。
帰りの新幹線では、最近、北岡先生がご執筆されたハンディな呼吸機能のご本を読んでいたら、愉しくて、あっという間に福島についてしまいました。
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