10月の肺癌学会でVATSの術前画像診断について講演します。
マルチスライス CTにより薄切スライスを用いた等方性ボクセル画像を高速・広範囲に取得可能となった。造影剤注入時相を狙うことで、肺動脈や肺静脈を時間的に分離した撮影も容易に行え、反復撮影することで機能情報も取得できる。
現在、胸腔鏡下肺切除術の術前情報として、肺癌術前の1回の胸腹部造影CT検査の中で、①肺門部を中心とする血管・気管支解剖を4位相のdynamic 3DCTAにより作成、②呼吸下の連続撮影により病変の呼吸移動と肺野の動態を確認、③進展度診断のための胸腹部撮影を行っている。①ではtest bolus tracking注入法により、注入造影剤のfirst passを的確に捉えることができるため、従来の半分の造影剤量で動脈相・静脈相の分離撮影が可能となった。②では動体追跡技術により、癒着や浸潤の有無を確認でき、また、肺野動態の均一性を確認できるようになった。これらの豊富な情報を取得できていながら、再構成法の進歩により、撮影の総線量は、従来の胸腹部CTより低く設定できている。さらに、取得したデータから肺容積を計測するなど、計測技術・シミュレーション技術も進歩している。
当施設で行っている、320列面検出器CTを用いたこれらの画像診断と各種シミュレーション画像について紹介する。
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