2017年8月8日火曜日

カメラ万年筆

フランスのヌーベルバーグ時代に提唱された映画理論。
当時、映画制作は多大な人手と資本とが必要であり、映像作家は巨大資本の意図に沿って映画を制作せざるを得なかった。しかし、手持ちカメラなどの手軽な道具の出現に伴って、ペンで文章を書くのと同じくらい、作家が道具や出資者の意向に制限されることなく、自己を自由に表現できるメディアになっていくだろうと予言したことによる。
現在は手持ちカメラどころかポケットに入る映像機器がきわめて安価に出回っている。
4Kビデオを撮影できるスマホを多くの人が持ち歩いている時代である。少なくとも費用面からの規制が撤廃されていることから、自由な表現が可能になった反面、玉石混交の雑多な情報が世界に流布している。画像・映像の真偽を判断する目とユーザの倫理感が受け手側に求められる時代になったともいえる。

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