2019年5月27日月曜日

栃木CT研究会にて特別講演してきました

2019年5月18日 栃木県立がんセンターにおいて開催された第14回 栃木CT研究会において、画像診断センターの村松 駿技師が特別講演してまいりました。

2019年5月26日日曜日

ひたち海浜公園

GWにひたち海浜公園へ行ってきました。国営の公園で、茨城県ひたちなか市の太平洋岸にあります。ちょうどネモフィラ、チューリップの満開の時期で、丘一面が真っ青なネモフィラで覆われている風景は見事でした。

エヴィデンスとリファレンス

ボクらの時代 2019年5月26日(日)  7時00分~7時30分
『ボクらの時代』は、毎回さまざまなジャンルで活躍するゲストが集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。司会者がいないので、ゲストたちの普段の顔・会話が見られるような構成となっています。 その代わり、矛盾なくストーリーを繋ぐ作業は編集の優れた腕によるものでしょう。
今回のゲストは東京大学出身の3人の女性。フジテレビアナウンサー・佐々木恭子、脳科学者・中野信子、そしてニューヨーク州弁護士・山口真由。
日本最高峰の大学を経て、現在それぞれの世界で活躍中の3人が、先ごろの、東大入学式での上野千鶴子教授の祝辞の話題からはじまり、学生時代に感じたこと、そして社会に出て思うこと、仕事、プライベート、現代社会、自分たちの周囲のフェミニズム感について話題がつきない。
特に、「エヴィデンスとリファレンスがないと信用できない。」「知らないと言えない・・・」などたくさんの含蓄のあるフレーズが聞けました。

2019年5月24日金曜日

菊とギロチン

「俺たちに明日はない」や「明日に向かって撃て」みたいなお話でした。大正時代は、なかなかドラマになることがない時代のため、基礎知識が少なく、とても新鮮でした。関東大震災1923年(大正12年)後の時代です。「俺たちに明日はない」は、1930年代前半にアメリカ中西部で銀行強盗や殺人を繰り返したボニーとクライド(Bonnie and Clyde)のカップルのお話。「明日に向かって撃て」は1890年代の西部で銀行強盗を繰り返すブッチ・キャシディ とサンダンス・キッド の二人組のお話。
映画で描かれるギロチン社や退役軍人と自警団などが、ここまで主義や理念がなかったとは思えませんが、 そもそも基礎知識がなかったため、勉強になりました。
若者たちの反体制意識が暴力へ繋がっていく姿は「けんかえれえじい」(における北一輝との遭遇)、数多くの若松孝二映画に描かれていますが、本作では革命云々と唱える男たちのエゴに翻弄されながらも、踏まれても、踏まれても、決して踏みつぶされることのない女たちのしぶとさこそ主題であると感じました。

2019年5月22日水曜日

ジェイソン・ボーン

ボーンアイデンティティの第5作目。
クライマックスはラスベガスの世界最大の家電・IT見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」会場である。最新のIT機器を上手に利用しながら、敵の中心を目指していく、ボーンの即座の冷静な判断とスピーディな動きは健在である。
映画の制作会見で、「スノーデン後の世界」のボーンになると発表されたとおり、エドワード・スノーデンが暴露したアメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の情報収集活動をモデルにした内容である。フェイスブックのCEO、ザッカーバーグの会見などは、現実を先取りしていたかもしれない。
2019年4月27日のNHK BS1スペシャル「個人情報が世界を変える」の内容の細部が酷似しており、この映画の内容が決して荒唐無稽ではないと、改めて実感させられた。思い返せば、ボーンシリーズの2作目・3作目ではCIAの情報検索が、すでに、防犯カメラや携帯・スマホ情報、そして電話の通信音声などに対して行われていた。
スノーデンは、2013年6月に複数の新聞社の取材やインタビューを受け、NSAによる国際的監視網を告発した。NSAの極秘ツール(バウンドレス・インフォーマント)を示し、クラッパー国家情報長官が議会公聴会で否定した3月に合衆国内で30億件/月、全世界で970億件/月のインターネットと電話回線の傍受が行なわれていたことを明らかにした。

2019年5月20日月曜日

第49回 画像診断の会 2019年6月10日開催します!

第49回 画像診断の会         
謹啓 時下、先生におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度、第49回画像診断の会を開催致します。
画像診断に関する技術の向上を目的とし、福島県北地区の医療の向上・連携を図り、地域の福祉に貢献したいと考えております。当会の趣旨にご賛同いただき、ご参加いただければ幸いでございます。
謹白
日時:令和元年年6月10日(月) 19:00~
場所:大原綜合病院 5階 「第一会議室」 福島市上町6番1号  TEL:024-526-0300(代表)

【製品紹介】     非イオン性造影剤 「イオメロン」 エーザイ株式会社    
司会 : 大原綜合病院 副院長 森谷浩史先生
【症例検討】   「単純写真 全般」
*疑問写真があればデータでお持ち下さい
【レクチャー】    
『 画像による骨折リスク診断 』
大原綜合病院 画像診断センター 安藤智則技師長
【特別講演】
『腫瘍との鑑別が必要な胸部血管系疾患
~単純写真と造影CT所見との対比~』
大原綜合病院 画像診断センター 森谷浩史 先生

第32回福島県臨床画像研究会の内容決定

 第32回福島県臨床画像研究会
謹啓初夏の候、先生方におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
さて、この度下記の要領にて「第32回福島県臨床画像研究会」を開催することとなりました
ご多忙中とは存じますが、是非ご出席賜りますよう宜しくお願い申し上げます

謹白
日時:2019年6月8日(土)15:00~
会場:福島テルサ 3F あぶくま
会費:1,000円
Ⅰ.情報提供15:00~15:15
バイエル薬品株式会社
Ⅱ.一般演題15:15~16:00(15分×3施設)
① 『病院内の全プロテクタ―の一括点検管理』
大原綜合病院 画像診断センター 本多亮太先生
② 『当院における肺動脈回転DR撮影の画質評価』
福島県立医科大学附属病院 放射線部 角田和也先生
③ 『日本住血吸虫症の2例』
福島県立医科大学放射線医学講座 柳沼佑基先生
Ⅲ.技術講演16:00~16:45
座長福島県立医科大学附属病院放射線部佐藤孝則先生
『一般X線診断装置を用いた胸部functional imagingの展望』
コニカミノルタ株式会社
~休憩~
Ⅳ.特別講演17:00~18:00
座長福島県立医科大学放射線医学講座教授伊藤浩先生
『大腸がんと大腸CTの現状』
福島県立医科大学会津医療センター放射線科 准教授歌野健一先生

当院からは本多亮太技師が『病院内の全プロテクタ―の一括点検管理』というタイトルで、平成最後の院内TQM大会で発表した内容をコンパクトにまとめて紹介させていただきます。

2019年5月18日土曜日

BS1スペシャル「個人情報が世界を変える」

BS1スペシャル「個人情報が世界を変える」2019年4月27日(土) 午後9時00分(110分)
スプツニ子!(尾崎マリサ)さんがナビゲーターとして、ネット社会で個人情報がどのように扱われていくのかを紹介している。
番組は、ラスベガスの世界最大の家電・IT見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」会場から始まる。さまざまなメーカがさまざまな最新機能をアピールしている。まさに、楽しそうな、便利そうな、小さな、可愛い機器が展示されている。ユーザーの好みを反映して動作する機器、例えばAI機能付きの電動歯ブラシなどが現実に製品化されている。しかし、その一方で、その動作の元になる個人の情報を意識のあるなしに関わらずメーカに差し出さなければならない。
ベルリンに移住したメディア美学者の武邑光裕氏は「ただより高い物はない」と述べる。便利さの対価として情報を差し出していることを意識すべきであるとする。医療データを含めたビッグデータの扱いについても、流出や目的外利用に対する危機意識を持つ必要があろう。
2018年4月、フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏が謝罪した。2016年の米国大統領選挙で、トランプ陣営がフェイスブックの8,700万人分の個人情報を有権者の心理操作に利用したことを止めることができなかったという内容である。フェイスブックを用いて情報収集の罠を仕掛けた性格分析ソフトを配布し、使用したユーザーのデータ、そのユーザーと繋がっている大量のフェイスブック利用者の個人情報を盗み取ったという。それをプロファイリングして有権者を20~30程度のグループに分類し、グループごとに最適な選挙広告をSNSを用いて送り付ける手法で、効率的に票の確保を行ったとのことである。エドワード・スノーデンが暴露したアメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の情報収集活動なども、同様の一例であり、氷山の一角であろう。
今やスマホやパソコンを使っていれば、検索ワードや閲覧ページはもちろん、位置情報、購買履歴など、行動履歴をすべて収集され利用されている。そればかりか、ほとんどのスマホやパソコンは、起動中に周囲の音声を録音し、データとして保存しているということである。私たちはSNSや検索エンジンをタダで利用する代わりに、自分のデータをフェイスブックやグーグルなど巨大IT企業に渡している。IT企業は、そのデータから個人のプロファイリングを行い、カテゴリー分類することで、現実的に「使える」データにする。そのことを覚悟すべきであろう。
利用者のデータが巨利を生むことに使われていることは誰もがうすうす知っている。しかし、今さらスマホやパソコンを手放すことはできない。目に触れない部分にもIoT(Internet of Things)が用いられ、知らず知らずのうちに個人情報が吸い取られている。スタンフォード大学のマイケル・コシンスキー准教授は「もはやプライバシー流出を防ぐ手立てなどない」とし、開き直ってテクノロジーの可能性をもっと利用した方が、その先にユートピアがあるという。
番組は最後にEcosiaというドイツの検索エンジンを取材する。Ecosiaは履歴を蓄積せず、また検索するごとに得た広告収入の80%をタンザニアに木を植えるために使うという。スプツニ子!さんは、食事で無農薬やオーガニックを選択する人がいるように、ネット社会でも個人情報の利用を拒む人がいてよいと小括する。
とりあえず、Ecosiaをインストールしてみた。

第36回 日本呼吸器外科学会学術集会 アフタヌーンセミナー



第36回 日本呼吸器外科学会学術集会 アフタヌーンセミナーにて講演させていただきました。

大会長の奥村 明之進教授(国立病院機構 大阪刀根山医療センター 院長・大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学 前教授)、座長の永安 武教授(長崎大学 腫瘍外科学分野 教授)に御礼申し上げます。

 2019年5月16日 14時10分~15時。
大阪国際会議場 10階。


肺癌診療におけるイメージング技術革新
~最新CTイメージング技術とCTガイド下の体幹部定位放射線治療~
「超高精細CT と4次元呼吸動態CT 」
大原綜合病院 森谷浩史

2019年5月16日木曜日

NPO福島画像診断支援センター 理事会・総会

表記 理事会・総会を2019年5月15日開催いたしました。
3議案ともご承認いただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。


2019年5月13日月曜日

サピエンス全史・ホモデウス

BS1スペシャル 「“衝撃の書”が語る人類の未来~サピエンス全史~」
人類250万年の歩みを全く新しい視点で読み解く著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏のインタビュー!
BS1スペシャル 「“衝撃の書”が語る人類の未来~ホモ・デウス~」
急速に進歩するゲノム編集や人体拡張技術により、「ヒトは自らをアップグレードし、いずれ神のような力をもつ」。

2019年5月12日日曜日

第135回 福島呼吸器疾患研究会 ~肺がん個別検診研修会を兼ねて~

第135回 福島呼吸器疾患研究会 ~肺がん個別検診研修会を兼ねて~
肺癌検診読影で注意すべき所見 ~平成30年度発見肺がん症例~
一般財団法人 大原綜合病院  NPO福島画像診断支援センター 森谷浩史
令和元年5月9日 福島市保健福祉センターにて表記研修会を開催いたしました。ご参加いただいた先生方に感謝申し上げます。来月より市民検診が開始になります。本年度もよろしくお願いいたします。





2019年5月11日土曜日

世界のドキュメンタリー

物語のウソとホント エトガル・ケレットの超短編小説。
ウソを排除すると世の中は回らない。ウソを必要悪として肯定するが、使用にあたっては注意が必要だとする。

画像診断センター 平成30年 業績一覧

業績一覧を纏める時期になりました。例年、なかなか散逸していて纏めきれませんので、現状まで整理できたものをリンク先の画像診断センター業績に記載しました。

moreCT! 2019 最終プログラム更新

moreCT! 2019(南東北320列CT研究会 改め)に奥州市総合水沢病院の高橋伸光さんの参加が決定しました。
急遽、 最終プログラムに追加いたしました。
宮城県立がんセンターの後藤さん軍団と東北医科薬科大学の田浦さん軍団との壮絶な戦いが予想されておりましたが、もう一名、伏兵が加わりました。
全日本 vs 新日本にもう一名、乱入したようなバトルロワイヤルが期待されます。
例年通り、情報交換会で一般演題のなかから優秀賞を表彰します。
特別講演の熊坂先生のお話も楽しみですが、一般演題のバトルも大いにそそられます。
すでに戦いは始まっています。
みなさん、がんばってください。

2019年5月10日金曜日

あしかがフラワーパーク

GWに、あしかがフラワーパークへ行ってきました。栃木県足利市迫間町にある花のテーマパーク。藤棚が見事な公園です。見ごたえのある観光名所ですが、超人気スポットとあって、大混雑でした。長居できると、もっと楽しめると思います。行列に並んで佐野ラーメンを食べて帰ってきました。

moreCT! 2019(南東北320列CT研究会 改め)最終プログラムが完成しました

moreCT! 2019(南東北320列CT研究会 改め)最終プログラムが完成しました。
例年通り、情報交換会で一般演題のなかから優秀賞を表彰します。おそらく、宮城県立がんセンターの後藤さん軍団と東北医科薬科大学の田浦さん軍団との壮絶な戦いが予想されます。
特別講演の熊坂先生のお話も楽しみですが、一般演題のバトルも大いにそそられます。
場外乱闘・流血騒ぎにならないよう、みなさん、冷静にご観戦ください(冗談ですよ)。
どうぞご期待ください。

2019年5月7日火曜日

2019年5月6日月曜日

東京防災

東急ハンズのレジそばで買い求めました。素晴らしい冊子です。必要と思われることは網羅されており、それぞれのページが実に読みやすい。アピールポイントが目に飛び込んできます。マニュアルはこうあらねばと思い知らされました。

2019年5月5日日曜日

動的平衡とサラリーマン合気道

我々は時間軸の中ではただの元素の配列情報である。配列の経時的変化はすなわち波である。波には実体はない。無から生じた配列が、再び無へ帰す。
われわれの存在は単なる波あるいは時空間の歪みであり、とすれば有限の周波数であらわされる程度の存在である。
混沌の中に生じた、わずかな歪みであろう。
意味がありそうに見える波・歪みに過ぎないのかもしれない。
混沌から天地の中に葦の芽のようなものが生成され、神となったという古事記の天地開闢(てんちかいびゃく)とイメージがよく似ている。
攪拌したときの渦や滴りは波を生じさせる。
「動的平衡」と「サラリーマン合気道」を読んでいて感じさせられました。

2019年5月3日金曜日

箭内道彦 サラリーマン合気道 幻冬舎文庫 2010年

箭内道彦 サラリーマン合気道 幻冬舎文庫 2010年。
ふむふむと納得しながら一気に読んだ。脱力系の仕事術。
余分な力を使わず、相手の力を利用して勝つ。流されれば遠くに行ける。
一見、常識と反対の対応のようなアドバイスが並んでいるが、その理由を読んでいると、いずれも納得。視点の方向を変えることにこそ意義があることがわかる。まさに合気道の面目躍如といったところであろう。
まず極端に考えてみる。緊張を良しとする。うまく話そうとしない。素人の強みを利用する。プロ意識を捨てる。弱点を利用する。自分を売り込む。優先順位をつけない。締め切り間際の奇跡がある。今日が最後と意識する。失敗は経験。
ひとりでやることで現場の視点をつかむ。異業種の先生を持つ。発想法やヒントをもらう。仕事を面白いと思う。普通の礼儀と社会の常識はちゃんとしていないとダメ。自分を広告する。冷静なしたたかさ。
自分のメッセージを仕事に盛り込む。仕事が楽しくないと人生も楽しくない。常にアイドリング状態でいる。名が人を作る。手の内を明かす。回り道はゴールにつかないとわからない。回り道は意外に近道。回り道はリバウンド力を養う。偶然を楽しむ。すぐに見切る。中学生の頃の自分を満足させるためだけに人生の大半をささげているように思う。
本書から、役立ちそうな言葉を拾い上げてみた。一見して、矛盾・逆説だらけ。その時々で言葉が変わる。さまざまな場面に対して用いる道具をそろえているということか。その場に応じて変化するという合気道的極意。しかし、その理由を読めば、いずれも妙に納得する。卓越した思いつきが長時間かけた努力より評価される広告業界としての特殊性があるかもしれないが、普遍的哲学もたくさん含まれている。
なによりも、共感した言葉が一つでもあれば、すぐ、そこからスタートするだけで、どこからはじめても、すぐにスパイラルな好循環に入っていけそうである。いずれのアドバイスもそのきっかけとなりそうである。

2019年5月2日木曜日

超高精細CT画像集 できました

超高精細CTが導入されて1年が経過しました。
先日、ITEM総会前に撮影件数1万件になりました。非常に急ピッチで症例が増えています。どうしても分解能の高いCTで撮影した方がよいと思われる症例が多いのだと思います。
エーザイ株式会社からの依頼があり、当院での超高精細CTの撮影プロトコルと画像集を纏め、ITEM総会で配布することができました。
肺野や微細な動脈などが、通常の撮影でも精緻に描画されることが、この装置の大きな優位性です。
ぜひ、お手に取ってご覧ください。

伊藤若冲展

福島県立美術館。若冲はいつでも人気があります。
単眼鏡で筆致を見ると驚愕します。


2019年5月1日水曜日

司馬遼太郎とサラリーマン

NHK TVシンポジウム ~司馬遼太郎『梟の城』 現代へのメッセージ~
23回目を迎えた司馬遼太郎記念財団主催の「菜の花忌シンポジウム」。今年のテーマ「梟の城」は1960年、司馬が新聞記者時代に執筆した原点とも言える作品とのこと。パネリストとして磯田道史さん(国際日本文化研究センター准教授)、佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)、澤田瞳子さん(作家)、安部龍太郎さん(作家) などが、作品の魅力と、そこに込められたメッセージを語った。権力におもねることなく、自らの生きざまを貫く忍者に、当時、新聞記者であった自分の姿を重ね合わせていたのではないかという。
「ビジネスエリートの新論語」 (文春新書) 新書 – 2016/12/9 司馬 遼太郎
昭和30年、産経新聞記者時代の司馬遼太郎が、本名である福田定一名で刊行した“幻の新書”が完全版として復刻刊行されています。昭和30年、1955年であるので、「梟の城」刊行の5年前。刊行時のタイトルは『名言随筆サラリーマン ユーモア新論語』でした。タイトルをビジネスエリートと言い換えてありますが、いわゆるサラリーマン読本。ここには当時のサラリーマン精神が満載しています。サラリーマン=サムライ気質の気概と悲哀そして諦観のリアルさが伝わってきます。

平成から令和へ

新しい元号になりました。
「令和」の典拠は、『万葉集』の巻五、梅花(うめのはな)の歌三十二首の序文(「梅花の歌三十二首并せて序」)とのことです。

    天平二年の正月の十三日に、師老の宅に萃まりて、宴会を申ぶ。
    時に、初春の令月にして、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫す。しかのみにあらず、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾く、夕の岫に霧結び、鳥はうすものに封ぢらえて林に迷ふ。庭には舞ふ新蝶あり、空には帰る故雁あり。
    ここに、天を蓋にし地を坐にし、膝を促け觴を飛ばす。言を一室の裏に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然自ら放し、快然自ら足る。もし翰苑にあらずは、何をもちてか情を述べむ。詩に落梅の篇を紀す、古今それ何ぞ異ならむ。よろしく園梅を賦して、いささかに短詠を成すべし。
    「新版 万葉集 一 現代語訳付き (角川ソフィア文庫) 」より

ちなみに「平成」の典拠は、漢籍で、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味とのことです。
『史記』五帝本紀 帝舜  內平外成(内平かに外成る)
『書経(偽古文尚書)』大禹謨  地平天成(地平かに天成る)