肺小結節を有する 10代女性に対する follow up CTを行う際にどのような条件を設定するか?
近年、一般臨床において若年者に対してもCTを撮影する機会が増えており、これに伴い肺野小結節に遭遇する機会も増えています。本例もその一人です。診断困難な小結節であり、CT検診学会のfollow-up方法を基準に対応しました。被ばく低減に留意し、目標部位に限定した高精細撮影を行いました。
若年のため、被曝を減らすことを考えました。当施設では、以前から胸部単純写真と同程度まで被曝を低減させた最低線量CTの検討を行っていましたので、この方法を通常のスキャノグラムの代わりに用いて目標部位を確認し、4cmのvolume scanで高精細撮影を行いました。
位置決め画像で確認できない小病変であり、多発病変の出現の確認も必要であるため、最低線量(CTDIvol: 0.1 mGy )による全肺撮影を行いました。特に、このようなスキャノグラムで確認できない小病変に対して、本撮影前に正確に位置を確認できるメリットは大きいと思います。被曝は80kVで0.03mSv程度、120kVで0.1mSv程度であり、一般的な胸部写真と同程度の低線量です。
若年者のCT撮影において、他部位の被ばくを極力低減させ、病変に限定した高精細撮影を行える意義は大きいと考えます。最近はコロナ感染により、若年者のCT検査が極端に増えておりますので、低線量撮影手法の一つの選択肢となりうると思います。
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