82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画) 82년생 김지영/KIM JI-YOUNG, BORN 1982 上映日:2020年10月09日製作国:韓国上映時間:118分
ジヨンは結婚を機に仕事を辞め、育児と家事に追われる日常が続きます。「疲れているだけ、大丈夫」と夫にも自分にも言い聞かせながら生活を続けていますが、次第に異常な行動が現れてきます。
映画では男女の差別と家庭での犠牲を強いられる女性の姿が丁寧に描かれます。家庭内では当たり前のように息子が尊重されます。どこにでもありそうな実家の雰囲気が自然です。
セクハラ・パワハラが当たり前のように描かれていますが、時折その描写に気づかない自分にハッとさせられます。昔の日本を誇張したような描き方に笑ってしまう場面もたくさんありますが、実は映画やTVなど映像メディアとして比較している自分に気づきます。素直に自分の生きてきた家庭や職場を振り返ってみると、まさにこの男女の関係が染み付いていたと思い知らされます。
女性にはチャンスが与えられません。育児のほとんどの部分を担い、しかも、その行為は社会的に蔑まれていると描きます。色々な積み重ねが負担を増し、逃れられない閉塞感の中で逃げ場を失っていきます。主人公にとっては昔、長男が貰った父の土産の万年筆が再生のきっかけの大きなアイテムになりました。
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