2025年3月30日日曜日

シビルウォー アメリカ最後の日

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(Civil War、直訳: 内戦 米国では定冠詞「the」を付ける際は一般的に南北戦争を指す。)は、アレックス・ガーランド脚本・監督による2024年公開のアメリカ合衆国・イギリス映画。19の州が合衆国から離脱しテキサス州とカリフォルニア州からなる「西部勢力」と連邦政府による内戦が勃発した近未来の米国を舞台に、ニューヨークから首都ワシントンD.C.へと向かう4人のジャーナリストを描く。
米国のA24による製作のもと、英国のDNAフィルムズ(英語版)などによって制作。米国では同年4月12日に公開、日本ではハピネットファントム・スタジオによる配給で2024年10月4日に公開された。
小人数で戦場を縦走する話は、地獄の黙示録や5分後の世界である。内戦がすでにそこに存在しているというシチュエーションからスタートする。そこに至る説明なく、まさに戦時中の日常がサラリと細部まで描かれており、すぐにこの異常な状況に入り込める。現在の第二次トランプ政権に至る米国内の分断から、想像に難くないという現状にもよるのでしょう。劇中挿入曲にジエンドっぽいのがありました。人種差別が強烈に描かれるシーンではイージーライダーも連想しました。つまり、過去の米国映画といろいろな点で共通項があります。
戦時というのは「ルール」が崩壊した社会であり、分断と反目・暴力が噴出している。軍や報道は「ルール」を遵守しているが、アメリカのような個人主義の社会では、目的を見失った暴徒が殺人・略奪を行い、無政府の混乱に陥っている。
戦時においても報道が中立的に俯瞰できる立ち位置が保護されるのも「ルール」が存在するからであり、報道が世の中を変えると思っていたという主人公は、だからこそ特権的に保護されていたのであろう。しかし、報道が狙う「音声や写真」の作為と空虚さ。道徳倫理の欠如。こんなもののために偉そうに報道特権を誇示しているのかい? 主人公が自国の混乱の当事者になったとき、この状況で「報道にできることは皆無である」と言い切っているようだ。戦時における報道の無力さとパパラッチ性は、地獄の黙示録と共通する。

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