2011年5月1日日曜日

子供の20mSv/年は安全なのか?


○ 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東京大教授(61)=放射線安全学=は29日、菅直人首相あての辞表を首相官邸に出した。小佐古氏 は東京電力福島第1原発事故の政府対応を「場当たり的」と批判。特に小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を年間20ミリシーベ ルトを基準に決めたことに「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。
学校の放射線基準を年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかった。「年間20ミリシーベルト近い被ばく をする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズ ムからしても受け入れがたい」。
政府の原子力防災指針で「緊急事態の発生直後から速やかに開始されるべきもの」とされた「緊急時迅速放射能影響予測システム (SPEEDI)」による影響予測がすぐに運用・公表されなかったことなどを指摘。「法律を軽視してその場限りの対応を行い、事態収束を遅らせている」。
○ 首相は「議論の結果に基づく原子力安全委員会の助言で対応している。」
○ 政府は国際放射線防護委員会(ICRP)が原子力事故の収束段階で適用すべきだとして勧告した年間許容量1~20ミリシーベルトの上限を根拠に採 用。毎時3.8マイクロシーベルト以上の学校などで屋外活動を1日1時間に制限する通知を文部科学省が19日に出した。
○ 高木文部科学相は小学校などの校庭利用の安全基準に関し、「この方針で心配ない」と明言。
○ 「子どもを大人と同様に扱うべきでない」として他の放射線の専門家から異論が出ているほか、日本弁護士連合会も反対声明。
○ 枝野官房長官は「20ミリ・シーベルトまでの被曝(ひばく)を許容したものではない。」
○ 佐々木康人・日本アイソトープ協会常務理事は「影響が出ることはない」が、「被ばくを減らす努力は必要だ」。
○ 従来のICRP勧告:公衆に対する線量限度は、年あたり1mSv。放射線作業従事者は、任意の5年間の平均で年あたり20mSv。
○ 福島原発に対するICRP声明:緊急時の一般人防護のため、最大でも20-100mSv の範囲になるように国内当局が設定することを勧告する。放射線源制御後の汚染地域に住み続ける場合、1年間に1-20mSv の範囲の参考レベルを選択し、長期目標として年間1mSv となるよう国内当局が設定することを勧告する。

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