発表内容は以下の通り。
逐次近似法を用いた低線量CT(AIDR3D standard)の肺野画質の検討
目的)CT画像再構成に逐次近似法が応用されることで低被曝撮影が可能となっている。この技術は呼吸機能の可視化を目的とした反復CT撮影のための基盤技術となりうる思われる。そこで、肺野画質の評価を目的として検討した。
対象)胸部集団検診の要精検患者のうち肺癌検診判定基準 E1判定「肺癌の存在を否定し得ない」に準じた判定を受けた患者。連続した105症例(集積期間 2011年9月~10月15日)。IRBの承認を受け、文書同意を取得。
撮影方法)Aquilion ONE(東芝メディカル)を使用。低被曝撮影(Wide volume scan、volume EC SD7.5 10mm水ファントム、撮影時にAIDR standardを適応、SDを担保し線量を75%低減)、従来法撮影(有所見部・陰影指摘部4cmを通常線量270mAでvolume scan)を行った。
評価方法)
1.臨床運用上の許容性
2.体格、mAs、DLP、線量低減効果、SD(下行大動脈)
3.画質評価:5mm厚画像・0.5mm厚画像について、放射線科専門医 2名により、肺野、気管支について、従来法と比較し、5段階判定(0,1,2,3,4:同等(0)、劣る(2)、診断上、支障をきたす可能性がある(4))を行った。
結果と考察)撮影・画像再構成・読影・患者への結果説明において運用上、支障なかった。5mm厚画像を用いたビューア読影では通常撮影と同等に診断可能であった。0.5mm厚画像においても、気管支・血管の描出は概ね良好であったが、低mAs時に肺野の不均一性・微細構造(点・線)のコントラスト低下を認める例があった。20mAs~30mAs以上では画質は許容できると思われた。低mAs例については、1-2mm厚の加算やビューアでの強調・MPRが有効であった。
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