今年も完走できました。「寺子屋式」肺がん画像診断マラソン。
会期: 2019年9月15日(日)~16日(祝)
場所:新横浜プリンスホテル
70名ほどの参加者に7つの班に分かれて、寺子屋ブースを回っていただき、1時間ずつレクチャーをおこなう寺子屋読影演習です。
①非がん病変 佐藤 功(宇田津病院)
②肺野病変と気管支 森谷浩史(大原綜合病院)
③肺がんの診断、X線~CT画像への流れ:
Diagnostic Imaging Pathways 大松広伸(網走刑務所医務課診療所)
④すりガラス(GGN) 齋藤春洋(神奈川県立がんセンター)
⑤肺野充実型病変 村上修司(神奈川県立がんセンター)
⑥肺の質的診断 近藤哲郎(神奈川県立がんセンター)
⑦病理と画像の相関 横瀬智之(神奈川県立がんセンター)
教育講演で基礎知識を概説していただいたのちに寺子屋レクチャーです。
教育講演① 肺の画像診断・単純写真&CT読影の基礎 黒崎 敦子(複十字病院)
教育講演② 肺癌の画像診断・単純写真の読影 山田 耕三(神奈川県立がんセンター)
教育講演③ 抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイントの肺障害 中原 善朗(神奈川県立がんセンター)
教育講演④ まとめ 関 順彦(帝京大学)本田 健(帝京大学)
私の寺子屋レクチャーの要旨は以下のとおりです。
超高精細CTと4次元動態CTによる肺結節と気管支の読影
超高精細CT画像を用いて、結節形状と気管支がCT画像上にどのように映し出されるかを理解する。
MPR(任意断面再構成)により、結節と気管支の立体的分析を行う。
4次元動態CT画像を用いて、呼吸に伴う気道の動態を体感する。
1.気管・気管支の開存を確認する。気管から左右の主気管支・葉気管支・区域気管支まで内腔を確認する。HRCTで描出される気管支は2mm径(亜々区域支レベル)程度が限界である。Consolidationをきたした肺実質においては径0.5mm程度の気管支内腔までair bronchogramとして描出される。気管支壁は気管支径の1/5~1/10、気道内径/肺動脈(B/A比)は平均0.7である。
2.肺葉の広がりは、葉気管支から分岐する気管支の広がりから認識する方法と葉間胸膜に包まれた領域を肺葉として認識する方法とがある。1mm厚程度の薄いスライスでは葉間胸膜自体が均一な薄い線状影として描出されるが、5mm厚程度のスライスでは認識できない。末梢肺血管は小葉中心付近までが描出の限界であるため胸膜直下の5mm程度の領域は血管の見えない肺実質構造になる。したがって、葉間は脈管の見えない帯状の無血管領域として描出される。
3.二次小葉は小葉間隔壁や胸膜などの構造に囲まれた径1~2.5cm程度の単位である。中心に気管支・肺動脈、輪郭に肺静脈が走行する。気管支は9~14次の分岐の後、小葉中心性気管支となる。この径はおよそ1mmである。小葉内でさらに3~5本の終末細気管支に分岐し、細葉を構成する。CTでは小葉中心性細気管支は描出されない。小葉中心性肺動脈は点ないし分岐影として胸膜から5mm程度のところに観察できる。気管支と肺動脈は伴走するため、肺動脈の点ないし分岐影が小葉中心・細葉中心に相当する。小葉隔壁は通常見えないが、小葉間隙に肺静脈が走行するため、静脈をもとに小葉輪郭を分析する。
4.CT画像上での気管支の読影:気管支の長軸断・短軸断を意識する。気管支内腔の確認・気管支壁の確認・末梢肺野の変化から中枢気管支の狭窄・閉塞を疑う。
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