面白くて再見しました。ちょうど、NHKの世界サブカルチャー史 欲望の系譜!の日本編がスタートしましたので、番組で提示される戦後の日本社会の軌跡と比較しながら見れました。
最初のアメリカ編の映画中心のまとめ方とはだいぶ変わりました。シーズン3 日本 逆説の60-90s は松岡剛正氏の語りで明確なように、様々な表現、流行などから時代の空気を捉えようとしています。特に、写真や雑誌、マンガ・劇画などから時代、特に若者の欲望を読み解く、現代史になっています。
仮面ライダーBlackSunを改めて見ると、怪人たちの住まいはコリアンタウンなのですね。50年前にあさま山荘の内ゲバで怪人たちの解放運動が決裂し、一部の怪人たちは与党の手下になり、結社を作り、与党のための票の取りまとめをおこなっています。政党あるいは結社は○○協会でしょうか? 最後が首相の暗殺で終わりますが、なお支配と差別の構図は変わることがないと描かれます。
「仮面ライダー」「サイボーグ009」とも石ノ森章太郎の原作は、追ってくる怪人やロボットたちとのバトルをメインにして、差別や抗争を生む背景として社会や個人の欲望の存在を描きます。今回の白石版「仮面ライダー」は差別とその構図を望む社会・すべての人々のどろどろとした怒りをメインにして、取って付けたようにバトルシーンを挟みます。
SFストーリーとしては「仮面ライダー」「サイボーグ009」などの元ネタとしての「ドノバンの脳髄」、ストーリー全体は50年前の連合赤軍時代への郷愁にあふれています。あの頃に戻りたいと涙を流す秋月信彦に「遅れて訪れた青春の虚しさ」を、敗残の兵士、南光太郎の次代への継承に「輝いていた50年前の敗北」の意味がこめられています。
0 件のコメント:
コメントを投稿