『千年の愉楽』(せんねんのゆらく)は、中上健次の連作短編集。1980年7月から1982年4月にかけて「文藝」に掲載、1982年(昭和57年)8月、河出書房新社から刊行。1992年10月、同社より文庫版刊行。若松孝二・監督で映画化、2013年に公開。
作品の舞台は和歌山県新宮市の「路地」と呼ばれる被差別部落である。「中本の一統」と称される高貴にして穢れた血に生まれて早死にを宿命づけられた若者たちの刹那的な生き様を「路地」に住まう全ての人の生き死にを記憶している産婆オリュウノオバの目を通して神話的に語られる。
映画で描かれたのは短編集の中の次の2篇。
- 1976年『青春の殺人者』 長谷川和彦監督(原作: 蛇淫)
- 1979年『赫い髪の女』神代辰巳監督(原作: 赫髪)
- 1979年『十八歳、海へ』藤田敏八監督(原作: 隆男と美津子)
- 1979年『十九歳の地図』 柳町光男監督
- 1985年『火まつり』 柳町光男監督(オリジナル脚本、後に小説化)
- 2011年 『軽蔑』 廣木隆一監督
- 2012年 『千年の愉楽』若松孝二監督
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