2020年4月18日土曜日

夏の嵐

『夏の嵐』1954年イタリア映画。監督ルキノ・ヴィスコンティ。音楽アントン・ブルックナー(交響曲第7番)、台詞協力テネシー・ウィリアムズ、監督助手フランチェスコ・ロージとフランコ・ゼフィレッリ。
原作はカミロ・ボイトの短篇小説『官能』(Senso)。邦題の「夏の嵐」は絶妙のネーミングだったと思います。
1866年、オーストリア占領下のヴェネツィアでの、ヴェネツィアの公爵夫人とオーストリア軍の将校との破滅的な恋をオペラ的に描いた作品。
Amazon prime 版を見ましたが、クレジットを見ていたら、先日、井上ひさし氏の番組で扱っていた、ボローニャの映画修復施設のロゴがありました。ストーリーがスタートすると鮮明で繊細な画質になりますが、イントロとエンドクレジットの部分は、古いカラー映画独特の色がにじんだ色調であり、本編と画像処理法が異なっているようです。
映画の内容は、初老の伯爵夫人の「老い」と「若さへの欲求」が描かれています。醜く、破滅へ向かうプロセスはワイドショーでも珍しくないゴッシプストーリーです。夜のベローナをさまようアリダ・ヴァリの姿は「ベニスに死す」を連想させます。

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