北海道知床半島まで観光に訪れ、世界遺産の景観を見るために観光船に乗船したいと思うのは当然でしょう。多少の悪天候でも出航してほしいと願う客も多いでしょう。会社も船長も天候さえ悪くなければいつも通りの業務だったと思います。そういう意味ではみんなが被害を被った傷ましい事故だったと思います。事故にあわれた方々にお見舞いを申し上げます。
事故後、マスコミが運航会社の怠慢ともいえる安全管理対応を袋叩きにしています。規則があってないようなものだとか、連絡のための無線や携帯電話を準備していなかったなど、何も起きないことを前提として、漫然と対応していたように報道されています。確かに危機感が欠如していたのかもしれません。また、現状を確認せずに関係機関は認可を行っていました。関係機関もまた、何も起きないことを前提として認可承認していたように思えます。
この状況が何かに似ていると思ったら、原発でした。東京電力がいまだに危機感なく、セキュリティ対応を外していたり、IDを使いまわしたりしています。社員一人一人が危機管理に関係しているという自覚が欠如しています。自分は怠けていても大丈夫、自分は関係ないという惚けた感覚が社全体にあるようです。柏崎のニュースの際に社員のインタビューがあり、福島の事故の後、安全管理については抜本的に対策がなされたと思っていたと思うので、今回の不祥事を残念に思うと「しゃあしゃあと」他人事のように答えていて、こりゃダメだと実感しました。福島原発の事故は東京電力だったから起こるべくして起きたと、改めて感じさせられました。認可承認から現場対応まで含めて、誰か一人でもフェイルセーフが機能していれば、何もない平穏な日常で終わっていたかもしれません。
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