2022年11月13日日曜日

青春の蹉跌

50年前の映画です。ファッション雑誌のモデルのような萩原健一と井上堯之の音楽に郷愁を感じます。音楽は「ローラースケート」の軽妙さと、「メインテーマ」の前途洋々たる誇らしさが、青春の未熟さと無限の可能性を感じさせます。 
映像や雰囲気は「青春の殺人者」や「太陽を盗んだ男」とよく似ています。
おしゃれでスタイリッシュな出立ちが、終盤になって「勝手にしやがれ」のようなカッコ悪さへ変貌していきます。足元がヨレヨレとおぼつかなくなり、崩れていきます。
挫折を経験したことのない男が主人公です。彼は結局、熱中することなく何でも途中で見切り、器用に乗り換えてきています。そして、初めて乗り換えられない現実に直面することになります。婚約者とガールフレンド、衝動殺人か、計画殺人か?
what  to  do nextという赤ちゃんのコマーシャル、即興で撮られたようなシーン、何気ない仕草、癖のような行為などが繰り返し挿入されます。原作小説は若者のピカレスク小説でしたが、この映画はガールフレンドを殺してしまう主人公の精神の崩壊を描いています。
蔑んでいた友人や先輩たちの生き方が急に輝いて見えて来る様子などが丁寧に描かれます。

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