2018年7月24日火曜日

『不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生』

医学研究と一人一人の患者との関係を描いた映画。いわゆる個人情報・患者データの利用に関する倫理性を患者遺族の視点から描いている。患者の権利章典やヘルシンキ宣言が制定されたのが1960年代以降。アメリカの公民権運動が起きたのが1950年代後半。黒人女性患者からヒーラ細胞が採取されたのが1951年であるので、病院内のルールに異を唱える者などいなかった時代である。何の疑問もなく医学研究という正統性がまかり通っていた時代である。
研究所に対する不信感や誤解が増大していく様子や、様々な不幸な出来事が「隠ぺい」から端を発しているように受け取ってしまう遺族の心理など考えさせられる。
どんな時代であっても医療者にできることは「説明と合意」であろう。

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