ある地方都市――。ベトナム救済募金が数人の覆面グループに強奪されるという時計じかけのオレンジ風のバイオレンスで始まる。犯行が終わるとグループは警察官に早変わり、今度は事件現場に急行し、捜査しながら証拠隠滅を行う。どうも、その警察署が組織的に犯罪を行っている様子。主犯の原田、加藤が署に戻ると、精神病院に入院中の中村が放火して脱走したことを知らされる。中村は原田の先輩警官であるが記憶を喪失し、精神に変調を来していた。原田らは、中村の病気は組織から逃げ出すための芝居だと睨んでいた。
長谷川は、原田芳雄、中村敦夫を想定して2人を描いたとのこと。
原田は署長から、中村が組織の記憶を持っていることが確認できたら射殺するよう指示される。非常線が張られたが、中村は列車で北上する。原田と加藤は車で列車を追跡した。彼らはいつしか、県境を越えていた。
中村は列車内で一人の女子高生と親しくなる。少女は中村の逃亡を助ける。二人で車を走らせる様子は「太陽を盗んだ男」だ。小悪魔的な都合の良い女性が登場し、主人公を助ける。現状に満足していない少女が面白がって犯罪者に協力する。決して裏切ることはない。この構図が長谷川の女性観なのだろう。ここでもラジオがコミュニケーションの手段となる。
原田は中村の記憶が戻るよう様々な策略を講じる。上位の暴力組織も動いている。記憶が戻って銃を乱射する中村を原田は撃つ。
生き残った原田に少女が言う言葉は「太陽を盗んだ男」の沢井玲子だ。少女を囲むマスコミのインタビューはバスジャック後のシーンと同じだ。朝日の昇る場面展開は原爆完成の翌日だ。
表向きは警察だが裏では強盗団という暴力組織は、為政者・権力者・力を持つ者の二面性を思いっきり戯画的に描いている。
表向きは警察だが裏では強盗団という暴力組織は、為政者・権力者・力を持つ者の二面性を思いっきり戯画的に描いている。
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