「七人の刑事」は、TBSで放送された警視庁捜査一課の刑事7人の活躍を描く刑事ドラマ。その第4話「ひとりぼっちのビートルズ」(1978年5月5日放送)の脚本原案が長谷川和彦です。キネ旬特集号に紹介されていたので、YouTubeで動画がアップされていたものを見てみました。
何と「太陽を盗んだ男」の元ネタみたいな話でした。ジュリーが孤独なタクシードライバーで、その拠り所がラジオのディスクジョッキーの女性。その女性の自殺に関与した3人の男たちをジュリーがライフルで射殺してゆくというストーリーです。自室で作業をする様子はタクシードライバー、屋上からライフルで狙撃する様子はダーティハリー。「太陽を盗んだ男」が1979年の映画なので同じ時期に撮ったのかもしれません。
ドラマはジュリーの行動と捜査する刑事たちの行動を交互に描いています。姿なき犯人、動機のわからない連続殺人を捜査する刑事たちのキーとなるのが「LET IT BE」を録音したカセットテープと電話の音声。刑事の捜査の様子も映画とよく似ています。
女性の番組のテーマソングは「LET IT BE」。ジュリーは女性の熱心なファンで、すべての放送をプロ級の装置で録音している。マニアックな部屋の風景。自分の独白も録音している。ヘアスタイルも装いも「太陽を盗んだ男」に酷似している。革ジャンにジーパン姿、ライフルを構える姿、タクシーを運転する目、バックミラーの顔、復讐を終え、ビルの屋上から身を投げるショット。すべての要素が詰まっている。
刑事たちは結局、犯人の最後の犯行を止められない。TVの刑事モノでこういう終わり方にするのも珍しいかったかと思う。ジュリーが歌う「LET IT BE」がドラマのラストに流れる。
当時の若者がラジオ放送を通して他人と繋がっている。ラジオというメディアの、マスメディアというより個対個の双方向性のあるフットワークの軽いメディアを長谷川和彦は何度も用いている。
そういえば、久米宏が同僚のディスクジョッキー役で出演しています。「ひとりぼっちのビートルズ」というタイトルから「大都会 - 闘いの日々 - 第8話 俺の愛した ちあきなおみ」を連想しました。1976年2月24日放送 脚本:倉本聡 監督:村川透 ゲスト:蜷川幸雄、高橋洋子。
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