2011年6月26日日曜日

飯舘村・川俣町住民 3ミリシーベルトの内部被ばく


2011/06/26 20:42 【共同通信】によれば、広島、福島の放射線研究者らが福島県飯舘村と川俣町の住民計15人の尿を検査したところ、全員から放射性セシウムを検出し、最大で約3ミリシーベルトの内部被ばくをしたとみられることが26日、分かったということです。
健康への影響については、「今後、汚染された野菜などを食べなければ心配はないが、この地区に住み続けるのは難しい」と調査を行った広島大 鎌田七男名誉教授(放射線生物学)は指摘しているとのことです。
この調査は、汚染地域での健康への影響についての科学的な実証データだと思います。非常に誠実な科学的対応として好感を持ちます。
これに反し、東電メルトダウン後、およそ1か月間、
汚染が広がっていることを把握していたにもかかわらず、この地域を安全だと広報し続けていた福島県や講演を行っていた専門家の対応には理解できないものがあります。
同心円状の安全宣言をする前に、正しく評価する必要があったのではないでしょうか? 正しい評価があってこその「正しく怖がれ」ではないでしょうか? 事故後の1か月は、過剰に怖がった住民の方が、被曝を減らすことができたのではないでしょうか?

東北胸部放射線研究会のお知らせ


平成23年7月23日(土)12:00から大原綜合病院附属 大原医療センター 2F講義室にて東北胸部放射線研究会を開催いたします。各施設からの症例検討の後、福島県立医科大学 名誉教授(前 放射線科教授) 木村和衛先生から「 胸部断層写真 」についての特別講演を予定しています。基本的には会員が中心となる会ですが、特に、木村先生の特別講演については、ご興味をお持ちの医師・放射線技師の方々は聴講可能としたいと思いますので、どうぞ、ご参加ください。

大原医療センターの環境放射線値


4月以降、継続測定している放射線値の推移です。徐々に減少していますが、減少の傾きが平坦になってきています。
グラフ上部の放射線値の高いライン(赤・青)が屋外の数値です。グラフ下部の数値(緑)が病院内の数値です。単位はcpmです。
私たちの実測換算値では、600cpmがおよそ1μSv/hに相当していますので、屋外での放射線値は4月当初、およそ1.5μSv/hあったものが、6月上旬は1.2-1.3μSv/hに減少しています。
概ね、福島市の県北保健福祉事務所の公表値と近似していますが、雨樋や側溝など局所的に高い箇所があるかもしれませんので、ご注意ください。

2011年6月24日金曜日

シンポジウム 東日本大震災の教訓:放射線部門の災害への対応

124回日本医学放射線学会北日本地方会は617日、盛岡市で解説されました。当番世話人の岩手医大放射線科教授江原茂教授による発案で「東日本大震災の教訓:放射線部門の災害への対応」というシンポジウムが組まれ、私は「震災と放射能汚染」というテーマで 以下のような趣旨で話をさせていただきました。

福島市では他地域と同様にライフラインが絶たれたことが医療機関にとって大きな障害となりましたが、沿岸部と比較すると震災自体の影響は少なかったと思います。むしろ、福島市においては、その後に発生した東京電力メルトダウン事故による放射能汚染の恐怖により医療機関並びに市民生活が翻弄され続けていることが深刻です。

福島医大をはじめとして若い医師たちが病院をやめてしまったり、一時的に避難したり、或いは家族を県外に避難させたりしている時期でした。浜通りの病院では医師や職員が病院をやめてしまい放射能汚染による医療崩壊が切迫していたと思います。

震災当時、私は放射線科医として福島市の診療に協力できることがないかと仙台厚生病院の放射線科医師らと相談しておりました。行政や地元の医療機関にも相談しましたが、地元医療に協力する余裕や、機材や薬剤を有効活用する発想はありませんでした。そこで、福島市医師会と相談をして医療機関向けの放射能汚染説明文書の作成・仙台経由の内服ヨード剤の確保を行いました。震災当時、福島県北地区では唯一、福島医大のみが内服ヨードを保有しており、他の医療機関の若い医療者たちの不安につながっていました。

放射線線量測定機も多くの医療機関では準備できておりませんでしたので着任前に大原病院に手配をお願いしていました。3月下旬から借用できたGM測定器を使用し、現在は発注していた線量計が届き利用させていただいています。少なくとも医療機関においては、職場や生活環境の測定が行えることが職員の不安の払拭につながるものと思います。

また、当時はガソリン不足で患者の移送もままならない状態でしたので地区の各医療機関にて放射線診断に関係する機器の稼動状況をメールの一斉送信でやりとりしました。行政は汚染スクリーニング施設を福島医大と二本松の2ヶ所で対応していましたので、病院に来院した患者を、改めて二本松に行くように指示する等、矛盾を感じる対応をしていました。同様に診断機器の稼働状況によっては病院で門前払いをせざるを得ない状況もありうると思われましたので、あらかじめ地区内の稼働状況を各放射線部門がつかんでいれば無駄なガソリン消費を防ぐことができるだろうと考えました。

以上、一放射線科医として考えることのできた範囲の対応です。多くの職員の実直な対応・日頃の医師会の先生方との交流・地域の技師さんたちとの交流があったおかげで、自分自身も救われました。ありがとうございました。

呼吸器内視鏡学会 浜松市

615日、浜松市で行われた日本呼吸器内視鏡学会学術集会並びに気管支鏡セミナーに出席してきました。

専門医更新の目的もあり久しぶりに気管支鏡セミナーを受講しました。基本的な手技の話・安全性のための局所麻酔の仕方・さらに呼吸器内科医が行う胸腔鏡・病理所見の読み方など、普段は読み飛ばしてしまうような教科書的な内容を丁寧に解説していただき大変リフレッシュされました。特に印象的だったのは、気管支鏡の肉眼所見の取り方です。内視鏡の基本はあくまでも肉眼的所見なのだと、いまさらながらに思い知らされました。所見を丁寧に拾い、その所見から病理学的なりたちを推定することが、やはり基本です。20数年前に気管支鏡の教科書を執筆された雨宮隆太先生が改めて新しい気管支鏡所見分類について病理所見を交えてお話になりました。所見と病理とを対比される基本的姿勢にまず心を打たれました。以前と比べると詳細に細分化された肉眼所見と病理学的所見の対応が整理されており、非常にわかりやすいレクチャーでした。また、いまだ、わからない部分や肉眼所見の限界については、若い医師たちへの将来の研究テーマとして提示され、その真摯な姿勢に感銘を受けました。

仙台厚生病院 送別会

震災の影響で歓送迎会は中止になっていましたが、気分的に随分落ち着いてきていましたので、華美にならないようにと思いつつ、お酒をいただきました。
5月25日 仙一。
6月1日 ホテル白萩。
6月10日 都留野。

2011年6月19日日曜日

「正しく怖がる」放射線安全講習会

毎日新聞 2011年6月8日 0時37分 によれば、文部科学省は7日、東京電力福島第1原発から半径20キロ以遠の環境放射線量モニタリングデータのう ち、3月16日~4月4日分などが未公表だったとして追加公表した。5月末から今月にかけて東電などが未公表データを公表したことを受け、同省も過去の データを精査したところ存在が判明した。データは福島県が測定したもの。3月16日以降、同県にある国の原子力災害現地対策本部に代わって文科省が一括公表する体制に変わったが、担当者 は福島県が公表していると思いこんでいた。国や県がすでに公表している別のデータと比べて特別高い数値はないという。とのことです。
現在まで、福島県は頻回に放射線安全講習会を開催しています。「正しく怖がる」「安全と安心」など強調していますが、国および東京電力からの情報発信が適時、的確に行われていない中で、「正しく怖がる」とは、どういうことなのでしょうか? 放射線被曝による健康影響を「安全」と言い切るためには、まず、確実な汚染状況を確認するべきではないでしょうか? 最近になって、各地の測定が始まりましたが、今回の報道では、最も高濃度だった時期の測定値が公表されていなかったとのことです。
まず、「正しく測定し、正しく公表する」ことがリスク判断の大前提です。その要求をせずに安全広報に終始するのであれば信頼は築けないのではないでしょうか?

「対応の遅れ、日本の体制に問題」 福島原発事故でIAEA

日本経済新聞 【ウィーン=藤田剛】福島第1原子力発電所の事故原因を解明するために5月24日から6月2日まで訪日した国際原子力機関(IAEA)の調査団は最終報告書をまとめ、加盟各国に配布した。報告書は「日本の複雑な体制や組織が緊急時の意思決定の遅れを招く可能性がある」と指摘し、改善を要請した。さらに「津波に関する徹底的な防御がなされていなかった」と分析し、多重災害への備えを求めた。

報告書は日本政府や東京電力の複雑な意思決定プロセスを問題視するとともに、改めて原子力規制当局の独立性確保を求めた。一方、現場の作業員や職員は「献身的で想定外の状況において効果的に対応した」と評価した。

報告書によると、福島第1原発では2002年以降、津波への防御策が追加的に実施されたものの、津波の危険を過小評価。さらに「日本の規制当局は追加的な防御策(の有効性)を検証しなかった」という。

原発推進に異議を唱える者は集団ヒステリーだ!

自民党の石原伸晃幹事長が原発再開をめぐるイタリアの国民投票で反原発派が勝利したことを「集団ヒステリー状態」と指摘しました。集団ヒステリーという言葉が、最近耳にすることのない言葉でしたので、調べてみました。
Wikipediaによれば、一般の人がヒステリーと言う場合、単に短気であることや、興奮・激情により感情が易変しコントロールができなくなる様子のことをさすことが多い。しばしば蔑視のニュアンスを含む。ということです。
また、社会集団に対して、社会的緊張状態のもとで通常の状態では論理的・倫理的に説明のつかないような行動を人々がとる集団パニック状態がみられることがあり、しばしば集団ヒステリー (mass hysteria) とよばれる。とのことです。
つまり、原発を推進してきた自民党からすれば「反原発」は非論理的・非倫理的な下賤な一時的国民感情ということになります。石原伸晃幹事長がどこまで意識していたかわかりませんが、イタリア国民を大いに蔑み、同時に日本国民を牽制したのでしょう。

2011年6月18日土曜日

原子力安全委員会が「反省」

2011/06/18 19:35 【共同通信】によれば、原子力安全委員会の班目春樹委員長は18日までに、共同通信の インタビューに応じ、原子力安全行政について「わが国の規制のやり方は硬直的ではなかったか。強く反省している」と述べ、安全性を高める努力が足りなかっ たと説明した。安全委の役割とされる原発規制の監視も「有効だったかどうか、検証すべきだ」とし、問題点の一つであることを認めた。
少なくとも今回の原子力災害の予測や抑止力として、原子力安全委員会が機能していたとはいえないと思います。委員長自身が、行政の過失を認めました。

2011年6月13日月曜日

被曝作業をしているのは東電社員か、関連会社作業員か?

「共同通信によれば、厚生労働省は13日、福島第1原発で作業していた東京電力社員のうち、新たに6人が今回の事故に限って設定された被ばく線量限度の250ミリシーベルトを超えたと発表した。外部と内部を合わせた被ばく線量の暫定値で、東電から報告を受けたという。250ミリシーベルトを超えたのは計8人になった。厚労省によると、250ミリシーベルトには達しないものの、200ミリシーベルトを超える被ばくをしたのは6人、100ミリシーベルト以上200ミリシーベルト未満の被ばくをした人も88人いたという。東電が、3月末までに福島第1原発で作業した約3700人について、被ばく状況を調査した。そのうち、5月末までに測定できた約2400人について1次評価が済んだという。」

「アサヒコムによれば、厚生労働省は13日、東日本大震災に被災した福島第一原発の復旧作業に従事した2300人のうち、新たに6人が、今回の緊急作業で認められた被曝(ひば く)線量上限にあたる250ミリシーベルト以上の高い放射線に被曝していたと発表した。これで250ミリシーベルトを超えたのは計8人になった。」

現場で被曝しながら作業をしている方々には頭が下がります。でも、いままでの東電の発表では現場の多くの作業員は関連企業の職員として公表されることが多かったのですが、今回の発表は高度な被曝をしたのは、あたかも東電の正職員のような報道をしています。さらに、

「東京電力は13日、福島第1原発で60代の男性が全面マスクにフィルターを付け忘れて作業し、内部被ばくした可能性があると発表した。東電福島地域支援室の小山広太 副室長は「是正勧告を受けた中で、今回のような事態が発生し重く受け止めている。関係企業に注意を徹底したい」と話している。」と、しており、つけ忘れなどずさんな管理をしているのは関連企業職員だとしています。

東京電力原子力発電所の事故発生後も残って作業を行った約50名の作業員に対し欧米など日本国外のメディアはフクシマ50と呼称して賞賛しましたが、当時、東京電力は氏名や所属会社を含む一切の情報の開示を拒絶していました。

現場で被曝覚悟で作業をする多くの作業員は地元出身の関連企業職員だともいわれています。

2011年6月7日火曜日

福島市、3000カ所で計測

福島市、3000カ所で計測 17、20日実施、下旬に公表
 福島市は市内全域の放射性物質の拡散状況を詳細に把握するため17、20の両日、放射線量の全市一斉測定を実施する。市職員が約3000カ所の放射線量を測り、結果を今月下旬にも公表する。線量が高い地域は結果に基づき対応を検討する。
 測定は市職員60人が2人1組で地上1センチ、50センチ、1メートルの高さで実施する。場所は原則として公共施設や広場を想定しているが、各町内会の要望も聞いて選定する。測定器は市が購入した同一メーカー同機種の30台を使う。
 結果は各町内会の回覧板で住民に周知するほか、ホームページでの公表も検討する。地域単位で住民に説明する。数値が高い場合は再測定して対策を検討する方針。
 放射線量に対する市民の不安が高まっている上、局地的に高濃度の放射線量が計測されていることを考慮し、6日の市災害対策本部会議で全市測定を決めた。
(福島民報 2011/06/07 09:24)
 やっと、測定することになったようです。冷静に公表し、対応していただきたいと思います。

2011年6月5日日曜日

8月初めに「分布マップ」=路上と土壌の放射能-文科省


福島第1原発事故で、文部科学省は3日、福島県とその近隣地域を対象として、道路上の高さ1メートルの空間放射線量と地表の土壌に含まれる放射性物質蓄積状況の「分布マップ」を作ると発表した。6日に調査を始め、8月初めに公表する。
空間放射線量の測定は車で行い、対象道路の距離は合計約2万キロ。土壌調査は、福島第1原発から80キロ以内は2キロ四方ごと、それより遠い地域では10 キロ四方ごとに区切り、土を採取する。調査は大学など全国の35機関、土壌の放射性物質の分析は19機関が分担する。(時事ドットコム 2011/06 /03-18:04)
悠長な検査が始まります。被曝住民への避難や生活上の対策へ役立てることが目的であるなら、あまりにも悠長です。しかも文科省が取り仕切る調査です。

またしてもウソばっかり・・・ 放射線量 入力ミスで過少公表


文部科学省は、これまで公表してきた積算の放射線量の計算に誤りがあったとして、福島第一原発からおよそ22キロ離れた福島県浪江町の一部で先月25日までの積算の線量が73.9ミリシーベルトだったと公表しました。これまで文科省は、同じ地点について31.7ミリシーベルトと公表していて、担当者の入力ミスが原因だったとしています。(TBS 04日02:03)
福島民友によれば、10数地点で間違っていたということです。文科省から公表されている数字で住民が翻弄されているというのに、実にいい加減な事務仕事です。担当者は、住民の不安と怒りの総和の責任を取るべきでしょう。
これに限らず、行政のいいかげんさが、ボロボロと明らかになっています。ウソばっかりです。
公表値は後になって高値に訂正されるものと思っていたほうがよいでしょう。行政を信用せずに自分たちの実測値から対応を検討しておくことが何より安心につながると思います。

2011年6月4日土曜日

原子力災害被ばく県の放射線科医として


雑誌 インナービジョン 2011年5月25日発行 2011年6月号 Vol.26,No.6。
編集部からご依頼いただきましたので、今回の震災から始まった原子力災害の影響について、現場の一放射線科医が見聞きしたことを原稿にまとめさせていただきました。ばたばたと集めた薬剤や情報網など、いろいろな備えが使われることなく収束してしまうことが何よりだと思います。
いつもながら下手な文章で恐縮ですが、当時、何を考え、何をしていたかが、すでに自分の中でも遠い記憶のようです。機会がありましたら、ご覧ください。

緊急特集 ドキュメント:東日本大震災&福島第一原発事故
放射線医療関係者の対応と役割 ─活動の記録─
●東日本大震災・福島第一原発事故の主な動き(2011年3月11日~5月20日)
I 地震の被害とその後の対応,復旧状況について
 ─モダリティ,ITインフラ,情報システム系を中心に
1.被災地からの報告
・東北大学病院─検査装置,診断全般について 高瀬 圭
・東北大学病院─ITインフラ,情報システム系を中心に 坂本 博
・大原綜合病院,仙台厚生病院─原子力災害被ばく県の放射線科医として 森谷浩史 
・宮城県対がん協会 がん検診センター─地域医療の現状と今後について 渋谷大助
・日立総合病院─ITインフラ,情報システムも含めて 入江敏之/鈴木達也
・岩手医科大学附属病院─岩手県での東日本大震災への対応 江原 茂 
2.計画停電の影響と対応,課題
・山梨大学医学部附属病院─災害派遣医療報告も含めて 坂本 肇/佐野芳知 
・北里大学病院─当院における計画停電への対応 鈴木直二/井上優介 
3.関連学会,団体の動きについて─学術集会の開催状況と震災への対応 (編集部) 
4.関連企業の対応について─
義援金(寄付),被災地支援(物資,サービス),サポート・メンテナンス体制など (編集部) 
II 福島第一原発事故への対応について─専門家としての役割とは
1.放射線被ばく専門家からの報告:原発事故による放射線,放射性物質の影響について
・放射線医療専門家が果たすべき役割とは
実効線量の意義と限界について 大野和子 
医療の放射線安全の経験から:福島第一原発事故の放射線・放射能への不安と風評被害 菊地 透 
2.関連学会,団体の動きについて─一般に向けた情報発信の記録 (編集部)
3.放射線被ばく医療への取り組み
・福島県立医科大学附属病院─被災地の大学病院としての役割 遊佐 烈 
4.放射性物質のスクリーニング・除染活動支援の報告
・日本放射線技師会─福島第一原発事故への対応について 中澤靖夫 
・福島県放射線技師会─震災直後の連携と緊急被ばくスクリーニングへの取り組み 鈴木憲二 
・国立がん研究センター─放射線サーベイ支援の経験より 伊丹 純

年間積算線量推計値 新たに4地点20ミリシーベルト超 

文部科学省が3日、発表した東京電力福島第一原発事故による県内の放射線量定点調査で、伊達市霊山町2地点と南相馬市、飯舘村のそれぞれ1地点で、年間積算 線量推計値が計画的避難区域となる基準の20ミリシーベルトを新たに上回った。
伊達市は同区域に指定されておらず、市は自主的な一時避難を希望する住民へ の支援を検討する方針。南相馬市の1地点も区域外の山間部となっている。
今回発表された年間積算線量推計値では、伊達市霊山町上小国の2地点のうち1地点が20・8ミリシーベルト(前回16・2ミリシーベルト)、同市霊山町 石田が20・1ミリシーベルト(同14・1ミリシーベルト)、南相馬市原町区大原は23・8ミリシーベルト(同19・6ミリシーベルト)、飯舘村大倉は20・2ミリシーベルト(同17・3ミリシーベルト)。 (福島民報 2011/06/04 09:28)

福島県、川俣と福島の高線量値公表せず


県が3月15日に実施した雑草の放射能濃度や空気中の放射線量の測定で、川俣町山木屋地区や福島市立子山地区の国道114号沿いなどで高線量の放射性物 質が検出されたが、国も県も公表していなかったことが3日、政府原子力災害現地対策本部(オフサイトセンター)と県の発表で分かった。
県は当時、現地対策本部が実施する環境放射線の継続監視体制の中で測定を担当し、文部科学省が公表することになっていたことから「国が発表するものと考 えていた。県が測定データを持ちながら、公表できなかったことに反省すべき点があった」と陳謝した。
空間線量率は、山木屋地区で15日午後2時台に測定上限の1時間当たり30マイクロシーベルトを超えた。同6時21分には福島市立子山でも7.33マイクロシーベルトが測定された。
(2011年6月4日 福島民友ニュース)
3か月もたって、福島県は隠蔽の事実を公表しました。6月に県職員の異動がありましたので、異動後のタイミングで公表になったのでしょう。それにしても、(2011年4月28日 福島民友・地震関連ニュース)で佐藤雄平知事は27日の県議会災害対策本部会議のあいさつで、オフサイトセンターは、東京電力福島第1原発から5キロ、福島第2原発から12キロの地点に建設された。しかし、東日本大震災で通信機器がほぼ壊滅、第 1原発事故への緊急対応ができなかった。としており、このニュースを聞いているとさまざまな測定結果が機械的不具合で福島県に伝わっていなかったように理解していましたが、対策本部までは届いていたのですね。

電離箱式サーベイメータ


発注していたサーベイメータが届きました。μSv/hで表示されます。GMサーベイメータと併用で測定した結果では、地上100cm程度では、GM式で650cpmが、およそ1μSv/hに相当していました。以前から新浜公園での公表値で換算していた結果とほぼ同様です。地面に近接した場合の数値の解釈はベータ線の混在を考慮しないといけないようですので、もうすこし、検討を継続します。
現在、病院内外で定点的に計測を行っていますが、今後も継続して環境汚染の推移を見守りたいと思います。院内の各部署で測定の希望がある場合は、所属長を経由して各施設の画像診断センタースタッフまでご相談ください。

2011年6月3日金曜日

福島市肺癌検診読影研修会


大勢の先生方に集まっていただきありがとうございました。すべて、過去2年間の検出肺癌の画像です。先生方の目で実際に指摘された写真です。相当小さな病変でも、きちんと指摘している優れた読影体制だと思います。研修会を通じて、たくさんの単純写真に目を通していただければと思います。

SPEEDI 放射性物質拡散予測システムの最近の話題

時事通信社 2011年05月25日11時25分
福島第1原発事故で、気象庁は25日、国際原子力機関(IAEA)の要請で実施してきた放射性物質の拡散予測資料の作成を終えたと発表した。IAEAから23日、要請終了の連絡があったという。同庁は、同原発に大きな変化が起きて再要請が来た場合は再開する方針。
(気象庁は東日本大震災が起きた3月11日から、IAEAの仮定データを基に拡散シミュレーションを作成していたが公表していなかった。今回は公開しているが海外から不要と言われたため終了するとのことです。もともと国民のためのものではないということです。)
2011.5.30 19:44 MSN産経ニュース
原子力安全技術センター(東京都文京区)は30日、放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」のオペレーションルームを初公開した。原子力事故発生時、放射性物質放出源の情報や気象などのデータを基に、サーバー約50台で構成する大型コンピューターが、放射性物質の拡散モデルを即座にシミュレーションする。東京電力福島第1原発事故後は、炉心の状態が不明のため原子力安全委員会が環境モニタリングから逆算した推定データを使うなどして延べ1万枚以上の拡散予測図を出力したが、公開の遅れもあり、住民避難に十分活用されなかった。同センターの恒吉邦秋防災技術部長は「反省すべき点はある。傾向だけでも早く示せばよかった」と話した。SPEEDIは1979年の米スリーマイル島原発事故を契機に開発され、文部科学省が所管、同センターに運用を委託している。
(住民感情を逆なでするような絶妙なタイミングでの初公開です。この件に関係するメンバーの責任追及と今後の事業仕分けを蓮舫議員にお願いしたい。)

2011年6月2日木曜日

内閣不信任案


何をバタバタしているのかわかりませんが、どうでもいいけどきちんと仕事しろ! と被災地の当事者たちは言いたい気持ちでしょう。世論も被災地と被災地外とで大分違うように思います。3/47、原発汚染に関しては、1/47 が当事者です。人口比にすれば、さらに極少数です。当事者から見れば、内閣不信任なんかで時間を費やすこと自体が現実逃避のサボタージュにしか思えません。管政権にしろ、民主党にしろ、本当は逃げ出したいのではないかと思います。気持ちはわかりますが当事者意識が欠如している。「お前たちは今しなければならないことに全力を傾けろ! バタバタ騒ぐのは勤務時間外にしろ!」と言いたい。

峠の茶屋 江川

奥羽本線鈍行で峠へ。山菜料理三昧を味わってきました。自然のにおいと飾りのないもてなし(失礼?)にほっとさせられます。