2011年6月19日日曜日

「対応の遅れ、日本の体制に問題」 福島原発事故でIAEA

日本経済新聞 【ウィーン=藤田剛】福島第1原子力発電所の事故原因を解明するために5月24日から6月2日まで訪日した国際原子力機関(IAEA)の調査団は最終報告書をまとめ、加盟各国に配布した。報告書は「日本の複雑な体制や組織が緊急時の意思決定の遅れを招く可能性がある」と指摘し、改善を要請した。さらに「津波に関する徹底的な防御がなされていなかった」と分析し、多重災害への備えを求めた。

報告書は日本政府や東京電力の複雑な意思決定プロセスを問題視するとともに、改めて原子力規制当局の独立性確保を求めた。一方、現場の作業員や職員は「献身的で想定外の状況において効果的に対応した」と評価した。

報告書によると、福島第1原発では2002年以降、津波への防御策が追加的に実施されたものの、津波の危険を過小評価。さらに「日本の規制当局は追加的な防御策(の有効性)を検証しなかった」という。

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