2011年5月3日火曜日

隠蔽と責任のなすりあい

政府が設定した学校活動での放射線量の安全基準に批判が集まっている問題で、内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は2日の会見で、「基準を下回ったら、あとは文部科学省は何もしません、という誤解を生むような発信をしていたら、福島県内の保護者が憤慨するのは当たり前だ」と述べ、文科省の対応が不十分だとの認識を示した。
政府が設定した学校の安全基準は、安全委の助言を基に、児童生徒が年間に浴びる放射線量の上限を20ミリ・シーベルト とし、校庭の放射線量が1時間あたり3・8マイクロ・シーベルト以上の場合は屋外活動を制限するとしているが、班目委員長は、放射線量の測定だけでなく、 土壌や空気中の放射性物質の濃度も測定し、対策を示すよう同省に求めた。(2011年5月3日11時19分 読売新聞)

東京電力福島第一原子力発電所の事故対策を巡り、4月30日に内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘(こさことしそう)・東京大学教授が2日夕に予定していた報道関係者向け説明会が中止された。民主党の空本誠喜・衆院議員によると、小佐古教授が官邸から守秘義務の指摘を受けたことが、中止の理由だという。小佐古教授は、政府の事故対応に納得できないとして、29日に辞任の意向を表明した。空本氏によると、小佐古教授は2日夕、小学校の校庭利用などについて文部科学省が説明した放射線被曝(ひばく)限度の問題点について詳細な説明を行う予定だった。ところが1日、小佐古教授から空本氏に、「(官邸関係者から)老婆心ながら、守秘義務があると言われた」として、説明会には出席できないと電話で伝えてきたという。文科省は校庭利用の放射線被曝限度を年間20ミリ・シーベルトとしている。空本氏は「小佐古教授は、子供の被曝量はせいぜい年間5ミリ・シーベルトにとどめるべきだという考え。きちんと説明する場がなくなったのは残念だ」と話している。(2011年5月2日23時14分 読売新聞)

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