2011年7月14日木曜日
11年版科学技術白書
毎日新聞 2011年7月12日 10時21分によれば、「政府は12日、11年版科学技術白書を閣議決定した。東日本大震災が発生したため、急きょ冒頭に「東日本大震災について」という項目を追加、 福島第1原発事故により「(科学技術に対する)国民の理解と信頼と支持という点で大きな課題を突きつけた」と危機感を表明した。」そうです。
白書では、大震災を巡って当初、政府が放射性物質の拡散予測結果を公表しなかったことや、過剰な風評被害が発生していることなどを例に挙げ、科学技術関係者らに「分かりやすい情報を適切に発信することが求められている」と注文を付けた。ということですが、原子力発電所に関しては事故以前に「不都合な事実」をいかに隠蔽しながら設置にこぎつけていたか、という点こそ、わが国の科学技術に携わる高名な学者たちの倫理観の欠如にこそ、危機感を感じます。
科学技術を推進しようという意識が強ければ、弱者への配慮は少なくなるでしょうし、都合のいい人材を選択するような偏った国策が先に出来上がっていれば、ブレーキをかける人材は排除されるでしょう。科学技術には権利を持つ人間の欲が露骨に集中する性質があるのだと思います。経産省のインサイダー取引問題も、同様のことは他にもいくらでもありそうです。
逆に言えば、そういう汚いことをストップすると、科学技術の推進力自体にブレーキがかかるのではないかと思います。原発問題は金に群がる人や組織によって、見るも無残に「科学技術の暗黒面」をさらけ出してしまったといえるでしょう。
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