大原綜合病院 研修医レクチャー 放射線科 胸部単純写真
2020年3月19日
胸部単純写真は多くの臨床現場で簡便に施行できる検査法です。
多くの疾患・病態の診断・示唆・方針決定に寄与します。
外来診療・入院時・緊急時の状態の概要把握に威力を発揮する診療技術です。
わが国の胸部健診では集団検診・任意健診の双方で広く用いられています。
しかし、研修指定病院などの、X線CTが整備されている臨床現場では胸部CTが多用され、胸部単純写真が十分に活用されていません。
将来、さまざまな施設で診療する研修医にとっては、胸部単純写真で臨床方針を決定しなければならない場面に遭遇することも、考えておかなければなりません。
そこで、本レクチャーでは救急や胸部ポータブル撮影で遭遇しうる代表的所見について、所見の成り立ちと考え方を勉強したいと思います。
迅速な判断を要する肺疾患
•気道閉塞
•気胸
•心血管疾患(大動脈疾患・肺動脈血栓塞栓)
•重篤感がある場合
•蔓延の危険性がある感染(結核・新型肺炎など)
ギョッとする胸部単純写真
•肺野濃度の左右差(ホワイトアウト)
•胸水
•心拡大・縦隔拡大
•広範な濃度上昇
•蔓延の危険性のある感染(散布影・空洞など)
•腹腔内free air
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